いわしの回答(転記)
庭は、比較的作り替えしやすく、家族の成長やライフスタイルに対応させやすい部分だと思います。私が育った幼少期の頃のイエの庭には、三輪車のコースがありました。庭には芝生が植えてあったのですが、そこにO字型のトラック?が切ってあったのです。芝生ではなかなか三輪車が進みませんが、そこは良く地ならしされていて三輪車を漕ぐのに最適でした。三輪車は安定が悪いのですぐ転びますが、倒れても芝生の上なら痛くありませんでした。
小学生になると塀際の花壇が活躍してくれました。授業でも観察するような草花を色々植えて、観察というより、家族の一員のように思って眺めているのが楽しかった思い出があります。
庭は一時期、砂利で埋め尽くされました。いつの間にか芝生がだめになってしまったのですね。その代わりに土の上を覆ったのが砂利でした。見た目は綺麗で草取りの必要もなく、最初はそれなりにいいかなと思っていたのですが、やはり緑や土の色に乏しい庭は殺風景です。やがて庭の砂利は撤去。骨折り損のくたびれもうけでしたが、わが家のライフスタイルに合わなかったのですから仕方がありません。
今は、父母のライフスタイルがさらに変わり、庭は奥の部分のほとんどが家庭菜園と化しています。今の時期はトマトやナスが育っています。シシトウもありますね。家庭の生ゴミで堆肥を作り、それを少しずつ土に入れていたので、昔はカチカチだった土が、いつのまにかフワフワになっています。住まう人の成熟によって、土も一緒に成熟していく。これはとてもいい風景です。
こうした様々な変化を経てきた庭の中で、ずっと変わらないものは樹木です。これだけは何年経っても、ずっと同じ姿を保ち続けています。変わったことがあるとすれば大きさだけ。庭を室内にたとえると、庭木の配置は間取りにたとえることが出来るでしょう。
前置きが長くなってしまいましたが、家族の成長やライフスタイルに柔軟に対応させていく庭作りの最大のポイントは、庭木の配置ではないかと思います。将来歳を取って足腰が弱り、車椅子やセニアカーなどで出入りするようになることも考えて、門扉の付近、通路、玄関周りなどのレイアウトを考えます。自分の変化で長年共に暮らしてきた木を切るような寂しさは味わいたくないですね。
このほか、子供の遊び場としての庭、家族行事のために使う庭、暮らしの充実を外に向かって表していくような庭、花壇で飾ることを楽しむ庭、収穫を楽しむ菜園のための庭など、さまざまな用途でシミュレーションして、将来ここが邪魔だと言わずに済む庭木の配置を考えます。イエの周りに少しでも多くの樹木が欲しい場合は、思い切って外構を生け垣にしてしまうような選択もいいですね。
私は今の住まいの庭を作る時に、そんなことを考えながら行っていきました。将来的に「庭の間取りの変更」が有り得る場所には、根が広く張って移植しにくい樹種や、移植によって花や実の楽しみが中断してしまうような樹種は避けるなどの配慮も大切だと思います。
そんなことを考えながら庭を作っていると、あぁここが私の終の棲家なんだなぁという喜びが湧いてきます。
「家族の成長やライフスタイルで変える」物には、あかりもあると思うんです。
たとえば、食卓のあかり。
子供がいるイエでは明るい雰囲気の中での食事を楽しみたいですから、ベース照明として普通の部屋のあかりを使い、テーブルの上に食材を鮮やかに見せるペンダントライトをプラス。
大人の食卓も、みんなでわいわい楽しみたい料理の時は、こんな明るい雰囲気がいいですね。
でも、時には料理に合わせて、ちょっと凝ったあかりの演出。
名付けて、照明による「イエ・レストラン・ダイニング」計画です。
小劇場の舞台が照明の変化一つであらゆるシーンを表現してしまうように、お料理だって照明によって、見せる姿を変えていくんですよね。
だから、気合いを入れて作ったら、それが最大限に生かされる舞台を用意したいじゃないですか。
というわけで、ちょっと凝ったフレンチの時や、いつもと違った食卓の雰囲気を演出したい時には、部屋の照明その物を替えてしまいます。
まずベース照明はほんのりと部屋を照らすダウンライト。
わが家では天井にライトの埋め込みができないので、部屋の周囲にそれっぽいナンチャッテダウンライトを吊り下げて使いますが、それでも調光器を使って明るさを調節すると、とってもいい雰囲気が出るんですよ。
そしてテーブルの上には、たとえば光を周囲に拡散させず、スポット的にテーブルを浮かび上がらせる細長いペンダント照明。
今はそれにハロゲンのランプを入れて使っています。
他にもタイプの違う照明器具を、何種類か用意しているんですよ。
こんなふうに、わが家の場合、ナンチャッテダウンライトは常設ですが、テーブル上の照明は、時々付け替えたりするんです。
クリスマスのツリーを飾るのと同じ感覚。
あかりは1年365日同じ物なんて誰が決めたのでしょう。
ほとんどの器具はカチッと回せば簡単に脱着出来る構造なんですから、もっと気軽に付け替えて楽しんでいいと思うんです。
ポイントは、小型でシンプルなデザインで、使わない時に収納の場所を取らない器具を選ぶこと。
あらこの照明すてき、これってあの料理に合いそうよね、なんて、食器と同じような感覚で照明器具選びをしていくのも楽しいです。
こうしたあかりの工夫に加えて、様々なテーブルクロスやテーブルランナーを組み合わせると、いつものダイニングテーブルが、豪華なレストランのテーブルに早変わり。
これで料理の腕の奮い甲斐も200%増量です。
このほか、家族の成長やライフスタイルの変化によって、様々な部屋で、様々な照明の工夫が楽しめると思います。
リフォームや模様替えは大変ですが、イエのあかりを着替えて楽しむという発想が生まれると、手軽に多彩な空間が生み出せると思います。
それに、ひとつの器具でも、中に入れるランプの種類、設置の仕方、調光器との組み合わせなどによってまた違った顔を見せてくれるのも、あかりの楽しいところ。
あかりって、本当に奥が深いですね。
以前id:Fuelさんが「思い切ってPCを家族の共有スペースに置く」という書き込みを拝見し、
さっそく我が家でも真似てみました。
背中のむこうで鍋がコトコト静かに揺れるのを感じながらキーを叩いているここは
我が家の中心、ダイニング。
正確にはダイニングテーブルとキッチンの間。
料理をしながらでも他の用事が出来るように、パソコンとプリンタをそれぞれワゴンに載せて、
キッチン側でもダイニング側でも使えるようにしたのです。
パソコンを載せたワゴンはキャスター付きなので、料理を作る前にレシピ検索〜と使う時には
コロコロ出して、食事の時には壁際に揃えて並べています。
ダイニングの横の壁にはコルクボードがあり、パソコンでプリントアウトした写真や、
友人が送ってくれたポストカードなどを飾ってあります。
毎日の家事は同じ事の繰り返しで、これで終わりといった到達点がありません。
そんな家事の心理的負担を減らし、また少しでも快適に毎日過ごすための空間です。
家事をしながらドラマや映画を観たり、家事の合間にネットサーフィンや家計簿をつけたり、
パソコンで音楽を聴いたりと楽しむことがもでき、パソコンがダイニング近くにあると何かと便利です。
共働きで忙しい人には、ぴったりなスタイルといえるでしょう。
さらにちょっとした本を置いたり、アイロン掛けや服の仕分けができるように、壁面に沿って細長い机を設置。
広いスペースがいる時にはすぐ隣のダイニングテーブルを利用します。
ここで、家計簿をつけながら子どもの相手をしたり、夫が明日の天気をチェックしたりと、
家族とのコミュニケーションにも役立ちます。
(今は息子が隣でお絵かき、娘はまだ小さいので、音楽DVDをかけておくとそれに合わせて踊っています^^)
子どもの様子が見えるようにすることが大事といわれますが、
私は家事をしている様子を家族から見えるようにすることも大事だと思っています。
取り込んだ服をたたんだり、アイロンかけや、取れかけたボタン付けもダイニングテーブルで行います。
イスに座ってチクチク縫っていると、夫がそっとお茶を出してくれたり、
息子がコレおかーさんを描いたのと絵を持ってきてくれたりとサービス満点^^
閉ざされた環境からはコミュニケーションは生まれません。
ダイニングを母のワーキングスペースに、そして家族のコミュニケーションツールとしてのパソコンのある空間として。
私はここを秘かに「たまりば」と呼んでいます。
パソコンには撮り貯めた写真や動画などがいっぱい入っていて、家族みんなで見られます。
両親が来た際に子どもの写真を見せてあげたり、家族旅行や運動会の様子をプチ上映会するにも
ダイニングテーブルに座ってみんなで見るのも楽しいですね。
子ども達が大きくなって、お母さ〜んとまとわりつく時期をすっかり卒業し成長しても、
ナニかとみんなが立ち寄る、家の中心のダイニングにど〜んと私がパソコンと共に陣取っていれば
家族と自然に顔を合わせられます。
ちょっと飲み物を取りに来た家族が、私が覗いている画面にたまたま興味を持って
その話題がはずんだりということもあるでしょう。
将来、老眼鏡をかけるようになる頃の私には、豆粒のような国語辞典や漢字辞典をひくのは億劫なこと。
でもパソコンの画面だったら簡単に文字も大きくできますし検索だってあっという間。
子どもが巣立って夫婦二人、ダイニングテーブルでコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいた夫が
「ねぇ、これってなんて読むのかな?」と聞いてきたら、すかさずパソコンの画面を開いてネットで検索。
意味ももちろん確認してから得意げに、私は主人に答えます。
「あら、それは○○よ。」な〜んてw
キッチン近くのダイニングには湿気があったり油煙が漂ったりと、パソコンにとっては環境が悪いのかもしれませんが
そのうちきっと水周り対応の防汚・防水パソコンがでてくることでしょう^^
ある時は食卓、ある時は母のワーキングスペース、そしてたまり場として家族でコミュニケーションできる場所、
ダイニング活用術でした。
今私がわが家に欲しいと思っているスペースがこれです。学習塾をやりたいなどということではなく、親しい友達が集まって、それぞれの得意分野を教え合えるようなスペースです。教わるだけなら公民館やカルチャーセンターの教室などがありますが、ものごとには教える楽しみというのもあると思うんです。それを満喫し合えるようなスペースがあったらいいなぁと。
大人数を集めるわけではありませんから、場所は六畳くらいあればいいと考えましょう。あと必要な物は、物作り関係などをやると考えると、傷が付いても構わない作業台を兼ねたちょっと大きめのテーブルと、床に敷く何らかのシート。わが家の場合は使えそうな部屋が和室になりそうなので、古い座卓と、畳の上に敷くゴザがあれば何とかなりそうです。
寺子屋のようなスペースは、いわばパブリックなスペースですから、生活のためのプライベートなスペースとは分離しないと、長続きしにくいと思います。そこが一番の難しさだと思いますが、応接間などはプライベートな生活動線と交わりにくい経路でお通し出来る場合が多いと思いますので、そういう部屋が使えれば理想的ですね。
あるいは最近は可動家具などを使って間取り変えられる家も増えてきていますから、これから家を建てようとしている人は、将来そんな夢が生まれてきた時に、リビングの一角を寺子屋に使える仕切り方が可能な部屋作り、なんていう計画も織り込んで設計していけるといいかもしれません。
寺子屋が終わったら、あとは楽しいティータイム。それを考えると、キッチンとの移動がしやすく、お茶やお菓子が運びやすい場所であることも欠かせない条件になってきますが、応接間やリビングの一角が使えれば、きっとその条件も満たされますね。キッチンとの連携が図りやすい位置なら、寺子屋スペースを使ってパーティーも開けます。
以前、私は仲間内のちょっとした講座みたいな物を開きたいと思って、公民館が借りられないか聞きに行ったことがありました。そうしたら、利用するには事前に団体登録が必要、利用者の半数以上が当該自治体在住か在勤・在学であること、申し込みは三ヶ月以上前に行う…など、なかなかハードルが高いことが分かりました。こういう規則は公民館ごとに違うと思いますが、やはり仲間内の行事に公的な施設の利用は向かないようです。だったら自分のイエでできないかなぁと。
物作りが好きな人、文化を創造したり学んだりすることに意欲的な人、趣味の輪を広げたい人、などなど、そんな素敵な仲間が集まったら、きっと作りたくなってくる寺子屋の出来るイエ。家族の誰かの意識がそんなふうに成長してきたら、他のご家族の皆さんもぜひ、可能な範囲で理解を示して、応援してあげてくださいね。同じスペースを使って、家族それぞれが異なる寺子屋を主催していく、なんていうイエも、また素晴らしいと思います。
いつか子どもと一緒にのびのび過ごせるイエを建てようと考えているので、
このテーマに理想のイエの想像が膨らみました。
考えが一番膨らんだのが階段です。
イエの中心にしつらえた階段。
幅は通常よりもちょっと広めの1.2〜1.5メートル。
階段は暗くなりがちなので、大きな窓を造って、また夜はライティングを工夫して
家の中で最も明るい空間にしちゃいます。
明るいところには、ついついみんな集まりたくなるものですから。
ついでに階段のけこみ部分に収納スペースもつくります。
人が集まる所にはモノもつい集まってしまいますので。
階段の吹抜け側には穴か柵、そして壁面にニッチ(かざり棚)などを設け、子どもが小さいうちは
階段のステップに座って本を読んだり、上階や階下の家族と話しをしながら、遊び場としての階段に。
上階と階下、互いの人の存在を感じられる場所です。
そして壁の高い部分にピクチャーレールをつけて家族の写真や絵のギャラリーとしたり、
スクリーンをつけて映像をプロジェクターで映せば、階段のステップに思い思いに座り
みんなで映画をな〜んて・・・素敵。
それから階段室(広い踊り場)。
階段室は階の上下をつなぐ間にあります。
ここは視線が交錯し、奥行きと高さもあるので、イエを見渡すことができ、またイエのどこからも
見える空間です。
ここが時にステージに変わります!!
家族で楽器を弾いたり、音楽をかけて歌を歌ったりと、家族のミニコンサートの開催です。
センターステージのあるイエ。
またここにはクリスマス時期にはツリーを飾り、クリスマスカードやプレゼントを置いたり、
ハロウィン、ひな祭りなど季節のイベントごとに飾りつけを変えて季節の移ろいを楽しむ場所としたり♪
星や月の綺麗な時期には窓越に、夜空を眺める場所としても。
さらに、将来昇降椅子が必要になることもあるかと予想して、階段上下に電源コンセントをつけておきましょう。
掃除機をかける時にも便利です。
家族の成長を見守り交流の場にできる魅力的な空間、階段の夢はまだまだ広がります。
牧場、いいですね!という訳で、検索してみました。「子牛の飼育管理」 http://www.tonotv.com/members/jatono/jouhou/shiiku.html 「馬の手入れ」 http://uma.equinst.go.jp/jiten/riding/school/1-1-9.htm ・・・うーん、大きな動物は手入れも大変 ...
壁一面の収納スペース。扉は天井まで届く高い扉で、全てを閉めきると壁と変わらないシンプルなデザインにします。暮らし方によって、普通の収納スペースとして使ってももちろんいいですが、さらに趣味に使う物を置いておく場所になったり、書庫になったり、コレクションを飾っておくギャラリーになったりと自由自在な使い道も広がる。そんな部屋を作りたいなぁと考えています。
こういう部屋は個人の部屋としても魅力的ですが、やはり一番に導入したいのはリビングです。子供用の扉は、下はおもちゃ箱の格納庫。いつも眺めていたいお気に入りの縫いぐるみなどは上の段に飾りましょう。いつもは扉を開けておき、お客様が来る時などには閉じよゴマ。
趣味の製作物などはキッチンワゴンのような物を作業机代わりに使って、作りかけの状態のままコロコロと扉の中にしまえたら便利ですね。必要な道具もオールインワンでセットして、ワゴンを引き出しさえすればすぐに作業が再開出来る、まるでPCのレジューム機能のような便利さが楽しめそうです。趣味が変わったら、以前の道具や材料はコンパクトまとめて奥の方に片付けて、また新しい道具をワゴンにセット。個人の部屋に閉じこもらず家族と共に過ごしながら、なおかつ家族に負担をかけずに趣味の製作が楽しめる環境が生まれます。
昔は押し入れを机代わりに使う人がいたようですが、収納スペースをそういうふうに使っていくのもいいですね。扉で隠せる机なら、片付かない乱雑な状態のまま、突然のお客様を迎えても安心です。
リビングで読む本を置いておく書棚もぜひほしいところですが、本というのは読む人の趣味や嗜好がはっきり現れますから、そのラインナップは、家族にはいいとしても、他人には見せたくない場合が少なくないと思います。そんな時も、開閉自在な壁面収納内書庫が効果的。
そのほか、家族の人数やモノの量、それぞれの趣味嗜好に合わせて自由に使っていける、いわばリビングのテンポラリスペース。そんなのが壁一面にあったら、どんなに便利だろうと構想しています。
昔の家には縁側という空間がありました。家の中では廊下の役を担いながら、同時に庭と屋内をつなぐ出入り口の役目も担い、さらに冬の日向ぼっこにも夏の夕涼みにも使えるという多用途スペース。老若男女を問わず、季節天候それぞれに様々な使い方が出来る縁側は、まさに今回のテーマその物のような存在だったと思います。
それを現代のイエに応用出来ないでしょうか。考えてみました。有望なのはウッドデッキの増設です。ウッドデッキには開放感を重視する意味で屋根を付けないことが多いですが、一部ひさしを張り出すような形で屋根を設けましょう。その下が、全天候型の縁側的スペースということになります。
ここでぜひ考慮したいのは、これが複数の部屋の掃き出し窓をつなぐ形で設置される、ということです。一階にリビングしかないイエではウッドデッキを設けても生活動線は変わりませんが、もしたとえばこれが応接間とリビングといった、従来はわざと用途的・動線的に遠ざけていた部屋同士をつなぐようになると、イエが今までとちょっと違った使われ方になってきます。
仮に、応接間とリビングが、ウッドデッキでつながったとしましょう。ウッドデッキは屋外と屋内の中間的スペースですから、それによる接続はとても曖昧です。ウッドデッキの通路として役割を無視すれば、従来と同じプライベートなスペースとの隔離が図れますから、あらたまったお客様は、そうした形で応接間でおもてなし。
でも気心が知れた仲間が集まったら、ウッドデッキに出てオープンカフェ的なパーティーに発展。さらにその中でも親しい人たちにはリビングを通ってキッチンまで入ってもらって、色々手伝ってもらうことも出来ますね。素材を持ち寄って料理を作り合うような形式の集いも開催しやすくなります。多彩な形で人を招きやすいイエが作れます。
もちろん普段は本来のウッドデッキとして、リビングとのつながりを生かした多用途空間として使っていけますね。今の私のイエは、ウッドデッキではなくテラスと、それに付随した濡れ縁(テラスの屋根があるので濡れませんが(笑))がこの役目を果たしています。昔の縁側のような、居室とは違う、区分所有型の集合住宅で言えば共用部分とも捉えることの出来るスペースの存在は、たとえ家族それぞれのライフスタイルが個室中心になっていったとしても、途切れることのない多彩なコミュニケーションを広げてくれる場所として、家族の絆をつなぎ続けてくれると思います。
物を置かない畳の部屋。こういう部屋が一部屋あると、とても暮らしが豊かになると思うんです。
まず、子供が小さな時期。転んでも痛くない畳の部屋は、小さな子供のプレイルームに最適です。それに遊び疲れて寝てしまっても、畳なら板敷きに比べて下からの冷えが穏やか。小さな子供は大人に比べて、ずっと床に近い位置が生活空間ですから、畳という優しい素材が最適です。
最近は畳のない家が増えていますから、ご近所のお母さんや子供達も集まって楽しい時間が過ごせるイエ、なんていうコンセプトで和室を作ってみるのもいいですね。
少し子供が大きくなってきたら、和室で劇をして遊びましょう。たとえば子供がお殿様。ちびっこお殿様の前で、お父さんが完璧な礼法に則った和室での作法を演じて見せたりするんです。一通り終わったら、今度は役柄交代。こういう遊びの中から、畳の部屋の歩き方、座布団への座り方降り方、正座の仕方、正しい挨拶の仕方などが楽しく身に付きます。
和室でちょっと特別なお食事会、なんていうのもいいですね。箱膳を使った高級料亭みたいな食事から、卓袱台を使ったサザエさんのお家みたいな食事まで。最近は椅子とテーブルでの食事しか経験のない子供が増えていますから、きっとこういうのも新鮮な体験になっていくことでしょう。こうした中から、和食の作法も身に付きます。なお、和室だからといって、料理は無理に和食にこだわる必要はありません。こういう時ほど、子供が好きなメニューで揃えましょう。お箸で食べられるお料理なら、何でもいいですね。
正しい礼法に則った和室での振る舞いや仕草には、まるで舞を見ているような美しさがあります。インストラクター役の大人はぜひ、お父さんかっこいい!お母さん綺麗!と言われるような身のこなしで、子供をアッと言わせられるようにがんばってくださいね。和室があれば、大人だけで密かに和の作法のお勉強、なんていうのも可能です。誰の前に出ても恥ずかしくない身のこなしを身につけておくことは、子供が誇れる親であるためにも大切です。
もっと子供が大きくなってきたら、畳の部屋で色々な和文化体験をさせてあげましょう。習い事ではありませんから、楽しく体験できればそれでいいんです。書道なんて畳の部屋にぴったりですね。お正月の書き初めや、七夕の短冊書きなど、季節の行事に合わせて行っていきましょう。
それから、お茶やお花。これらもけっして女の子だけのものではありません。もともと華道は、代表的な武家屋敷の造りである書院造の定着とともに発展してきたもの。茶道も、織田信長の「御茶湯御政道(おちゃのゆごせいどう)」によって、格式の高い武家儀礼として定着してきたという歴史があります。もちろんイエでやるなら、お茶もお花も型にはまる必要はありませんから、伝統のエッセンスさえきちんと踏まえていれば、あとはそのイエ流でOKです。
子供が受験を控えるような年齢になってきたら、和室は心を落ち着け、安らげる空間として活用させていきましょう。がらんとした何も無い和室で静かに過ごすひとときは、きっとストレスを和らげてくれることでしょう。こういう和室の使い方は、何かと心が疲れがちな大人にも有用ですね。
現代のイエに欠けているのは、こういう心を癒す侘び寂の空間。今は居住「空間」といいながら、全ての部屋を実用で埋め尽くして、「空の間」を設けないんですよね。でも、日本の文化は「空」を重んずる文化。何も無い空間にこそ美を見いだし、そこから心の安らぎを得てきたのが、日本人の美意識だったと思うんです。そういう侘び寂の間がリビングに匹敵するくらい重要な存在なんだ、という考えへの転換が、新しいライフスタイルの扉を開く、一つの鍵になっていくことでしょう。
そうは言ってもただでさえ狭い家、その一室を何も無いがらんとした空間にしてしまうなんて、と思われるかもしれません。でも、和室ならそれが可能なんです。和室の良さは用途の柔軟さ。ですから、押し入れから座卓を出してポンポンと座布団を置けば、さっきまでのキッズのプレイルームが、もう応接間に早変わりです。床の間のある部屋なら、どんなお客様をお通ししても恥ずかしくない、品格ある応接間として通用します。さらに再び座卓をどければ、お茶のお点前でおもてなしも出来るマルチウエイの応接間。布団を敷けば、不意の泊まり客の寝室にも使えます。
大人の楽しみとしては、何も物を常設しないがらんとした和室を、季節の「室礼」で彩るキャンバスにしていってください。
◆室礼→ http://q.hatena.ne.jp/1252471828/232224/#i232224
やはり室礼のメインステージは床の間です。床の間に季節を表現する楽しみは、まさにアート。暮らしの質が高まって、アートする喜びも満点の室礼は、一生の趣味になりますよ。
こんなふうに、子供のライフステージに合わせて活用でき、大人の趣味空間としても、和室特有の用途の柔軟さを活かしたゲストスペースとしても幅広く使っていける「がらんとした和室」。一部屋あったら、本当に素敵で便利な空間になってくれると思います。
がらんとした和室と聞いて、お爺ちゃんとお婆ちゃんの部屋を思い出しましたね。がらんとはしていませんでしたが、離れの畳部屋で子供の頃にその部屋へよく遊びにいった覚えがあります。
仏壇の置いてあるお座敷もありまして、がらんとしている和室といえばこちらのほうが正しいかもしれませんが、どちらかといえばこちらはご近所様や親戚の御呼ばれの席などに使われるといった用途が多かったので、子供が遊ぶための場所という雰囲気じゃなかったですね。
仏壇のある部屋はどこか空気が違っていました。
我が家は木造の二階屋です。間取りを考えるとき、収納場所をできるだけたくさん作るようにしました。その中で、二階の一部屋におもしろい工夫をしました。
我が家は総二階の造りではありませんので一階部分の一部に二階部分が乗っている構造です。ですから二階の部屋の外側に一階部分の屋根が来ているところがあります。二階から見ると、隣に一階の屋根裏がある構造です。そこで、通常でしたら壁になるところに出入り口になる引き戸をつけ、屋根裏にも二階の床と同じ高さになるよう床を張ってもらいました。
普段は引き戸を閉めていますので普通の壁のようになっていますが、この戸を開けると屋根裏部屋に入ることができます。一階部分の屋根の下になりますので、天井は傾斜していて高さはありませんから、中で立ち上がることはできません。でも、収納スペースとしては結構役立ちます。
また、「屋根裏部屋」という言葉のひびき通り、秘密めいた場所になっていて、夏や冬は暑かったり寒かったりできついのですが、季候のよいときにはちょっとした隠れ場所になっています。
正規の部屋ではない、こんな隠し部屋も楽しいものです。
アパートに部屋を借りて家族で住んでいるのですが
自分には、個室がありません
一時期、家族の一人が別の場所に住んでいたので
その時は、その家族が使ってた部屋を自分の部屋のように使ってたのですが
戻ってきてしまったのでいないときだけ
それなりに使える状態なんですね
その家族がいるときは、自分が一人になりたい気分でいても
家の中に一人になれる場所は、ほとんどなく
正直いろんな意味でつらい気持ちになる時もあります。
自分が一人暮らしを始めたらそういう悩みはなくなるのだけど(汗)
自分ではなく、他の家族が今住んでる部屋を離れた時とか
住む場所自体を変わるときがくるとしたら・・
自分のための個の空間が欲しいですね
いや、理想としては一人ひとり、個になれる空間が
あるのが理想なのだけど
それには、それなりに広い場所がないとダメですね
現在の我が家はオールフローリングの洋室で畳の部屋は一つもありません。この家に住む前は畳があったのですが、張替えやダニの問題などで、今の家を選ぶときにはフローリングは掃除が楽だし清潔だし、と思ってたのです。
確かに、それは思ったとおりなのでしたが、しばらく住んでいるうちに、なにか物足りなさを感じてきました。
フローリングはあまり床の上に寝るとか座るということをしません。座るならソファに座ればいいのだし、寝るにしたってソファがあるし、床にラグを敷いてそこに横たわってもいいのですが、あの畳のなんともいえないくつろぎ感が得られないのです。
そこで、現在の我が家を畳部屋に改造するとしたら、と想像してみました。
家中オール畳は無理ですから、部屋を一つ選びます。
和室でいえば6畳間の広さ。普段はあまり使ってなくて一種物置部屋と化してますが、そこに置いてあるものは全部片付けます。
次に畳ですが、本物の畳は使うことができません。
しかし、最近は便利なものがありますね。
ユニット畳という正方形の畳です。フローリングの上に敷くにはもってこいの畳です。
これをアイランド風に真ん中に幾つか並べるのもよいのですが、くつろぎ感を思いっきり満喫するために、部屋全部に敷き詰めます。
次にくつろぎスペースを充実させるために、小物をいくつか使いたいと思いますが、元が洋室なのでうかつに和の小物を使うよりは洋室の小物がいいと思い、クッションをいくつか。それと寄り掛かって座りたいときのために、洋風の座椅子などを2つ3つほど。
それから、雰囲気を出すのとこまごました必要品の整理のために、大き目のふたつき籐バスケットをいくつか。棚をおいてもいいのですが、中に入れたものを極力見せないための工夫です。
くつろぎスペースで寝転がって本を読みたい場合に備えて、正方形のカラーボックスを置いて、そこに軽い読み物や雑誌を用意していてもいい。そのボックスの上には音楽やラジオを聞くために小さめのオーディオデッキを用意してもいいかもしれません。
テーブルは置きません。寝転がって過ごすためのスペースですから。
座って本を読むときになにか飲み物が欲しければ、お盆にカップを載せて畳の上に。
こうしてできたスペースに気の置けない学生時代の友人を呼んで、昔アパートの畳の部屋でみんなごろごろしながらお喋りしあったことを思い出しながら過ごしてみたいものだな、と夢想はつきません。
将来は壁一面の本棚を作って、家族が好きな本でそれを埋めていけたらいいなと思う。お互いに興味を持ちながら、相手を知るには最高のものだとおもうし、家族でスペースを埋めていくというのは共同作業のようで何だかいいかんじ
なんでも手に入る時代。
部屋のインテリアも近代化していき、落ち着くまも無いほど埋め尽くす家具や雑貨。
本当に落ち着く場はどこにある?
本当に必要なものは何で、不要なものが何かさえ解らなくなる。
すべてを手放したとき、本当に大事なものが見えてくるのではないか?
そうしたとき、部屋中のものを見渡して、少し冷静に物事を考えてみました。
そこで思いついたのは「シンプルライフ」
先日こんな記事を見つけたのがきっかけです
http://allabout.co.jp/gm/gc/60614/
シンプルライフの条件
シンプルライフの条件とは?
では、シンプルライフの条件とは何でしょう? 過去6年間の経験を踏まえて、ガイドが確信するのはこちら。
* 持っているモノすべてを活用している。
すべてを活用しているということは、管理できているということ。
管理できているということは、散らからないということ。
* 困ったときに助けてくれる人、知恵を貸してくれる人がいる。
人が助けてくれれば、モノはあまり必要ではありません。
* やたらに「忙しい!」って言わない。
時間がたっぷりあるなら、モノはあまり必要ではありません。
* きちんと食べていて、よく眠れる。
* 生物としての生活(食、睡眠)が充実していると、心が安定するからか、むやみにモノを欲しいと思わない。
上記4点が、シンプルライフを楽しむ何人もの人を取材して、共通して感じたポイントです。あなたの暮らしには、いくつ当てはまりましたか?
これとても面白いと思いませんか?
こういった要点を考えてシンプルライフを確立させる。
そんな時おもいつくのが「かもめ食堂」のインテリア。
http://allabout.co.jp/gm/gc/60541/
シンプルなインテリアとは何かをケチるわけでもない。
かといって、贅沢に使用するでもない。
既に存在しているその空間自体をインテリアの一つと考えていく。
そして、野に咲く小さな花をさりげなく飾ったり。
そんなことも可愛い素敵なインテリアにしてしまう。
そこに大好きな家族も加わり、これこそ、この家族団らんこそが、一番の素敵なインテリアの空間の一部です
費用的に難しいのですが、一つの夢があります。
それは、もしも今住んでいるアパートを建て替えることが出来る日が来たら(そもそもそんな日が来ないという説もあるのですが)、その時には、「今のアパートをシェアハウスタイプにしたい」というものです。
(シェアハウスの例)
http://www.asahi.com/national/update/0509/TKY201005090092.html
実はこれには、ちょっと深い理由がありまして・・・
私たちは子供がいませんし、私たち自身も友人も、いずれ老人になります。子供がいる人も、子供が独立すれば老人世帯です。また、障害を持っている知り合い、友人が何人か居ますが、特にそういった知り合い達にとって、将来、歳をとった時に「安心して暮らせる住まいを確保したい」という願いは、切実なものがあります。
そこで、シェアハウス。
仲間達で安心して一緒に暮らせて、しかも、寮のような共同生活にはならない「シェアハウスに一緒に棲めたらいいな」と。
これで「世話人」が付くと、いわゆる「グループホーム」ということになりますが、そうすると、許認可の関係で建築そのものに色々制約が付くようです。そこで、「一種の単なるアパート」として、何とかシェアハウスを建てられないかと・・・
シェアハウスといっても色々あるようですが、キッチン・バス(シャワー)・トイレ・洗濯室・ロビーなどをシェアして、居室部分は個室で鍵がかかるタイプが夢です。いや、バスはシェアでも、シャワーは各室にあったほうが理想かな。結構「お風呂に入りたい時間」って、バッティングするんですよね。掃除は、個室は各自が行うとして、共有部分は定期的に清掃業者に発注したいです。これは自分たちに障害があったり、自分たちが歳をとっていることを想定しています。費用は全員で割り勘にすれば少しは安くなるのではないでしょうか。あと、共有キッチンはいらないかも。ミニキッチンが各部屋にあったほうが使いやすいかもしれません。
贅沢が出来れば、ギャラリーを兼ねたロビーが欲しいです。ギャラリーに飾る絵は、既に大量にストックがあります。毎月掛け替えたいです。時には他の家に住む友人にスペースを貸して、個展を開いて貰ってもいいなあ。
でも、ギャラリーって、意外と作るの大変なんですよね。壁面は作品が掛けられるように強度を確保する必要があるし、理想を言えば作品を吊すハンガーレールも欲しい。あとスポット照明でちゃんと作品に光が当たるようにしたいですね。
ギャラリーが無理だったとしても、今のアパート(と仕事場)のように、ショーウィンドウは作りたいです。
さらに欲を言えば、ロビーにビリヤード台を置きたいなあ。私、少しだけやりたいんです、ビリヤード。下手だけれど、面白いです。でも、一般家庭にビリヤード台なんて置けないですよね。シェアハウスのロビーだったら置けないかなあ・・・。
大画面のテレビとかホームシアターなんかは、あまりテレビを見ないのでいらないです。いや、他の住人が欲しがるかな?だったら必要かな?たまに大画面で「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!!」のブルーレイなんか見て、「若かった頃を思い出す」なんてのも、意外といいかも。
何だか夢のようなことばかり書いてしまいました。
いつか実現したらいいなあ、夢のシェアハウス。
現実には・・・「宝くじでも当たらないと無理」。資金的に・・・。
暮らしを一軒の家の中だけにとどめずに、思い切ってもう一軒!と考えることが出来ると、すごく夢が広がりますね。でもそんなこと、可能なのでしょうか。答えはイエスです。
今、地方では過疎が進んでいます。過疎が進んでいるということは、空き家がたくさん発生しているということ。過疎地では、売りに出しても売れないし、解体する費用ももったいないということで、引っ越した後もそのままになっている家がたくさんあるんです。
もしそういう家を買うことが出来たら…。今私は、実際の購入も視野に、ちょっと動き始めています。ネットなどでいわゆる田舎暮らし物件を探してもいいですが、私の場合は地元の方に受け入れていただけることを重視したいので、いままでの旅行でご縁があった土地の方と引き続き交流する中で、いい出会いを探しているところ。皆さんの中にも、親戚や友人知人などのつてをたどっていくと、すてきな出会いが待っている人が少なくないと思います。
最終的には地元の商工会などに信頼のおける不動産屋さんを紹介してもらって仲介をお願いすれば、間違いのない取引が出来るかなぁと考えています。ちゃんとした業者さんの仲介なら、売買契約に先立って宅地建物取引主任者から物件に対する重要事項説明がありますから、そこでたとえば第三者の占有(賃貸借契約など)がないかどうか、法律の規定で再建築不可になっていないか、地滑り危険区域に指定されていないかなどがわかります。
気になるお値段はもうピンからキリまでですが、とりあえず若僧サラリーマンのボーナス数期分程度で手が届く家「も」ある、というのが現状のようです。本当は、そんなはした金で家が買えてしまう過疎地の実情こそが社会問題なのだと思いますが、ネットを見ると実際にハイエンドPCを1台買う程度で家を買ってしまった人もいるようです。
買取が不安なら、賃貸でお願いするという手もあると思います。とにかく「週末田舎暮らしハウス」の確保は、そんなに遠い夢の話ではありません。
私の場合は、増えすぎて置き場に困っている親子二代のレコード・CDコレクションの一部を移せる場所が欲しいというのが主目的ですが、ほかにも様々なライフスタイルを実現する場所として、週末田舎暮らしハウスは大活躍してくれると思います。たとえば、
・親子の自然暮らし体験場として
・家族で手入れ、補修していくDIYハウスのカンバスとして
・付近に畑をお借りして本格的な収穫が楽しめる宿舎付き家庭農園として
・親や大学生以上の子には仲間と過ごす大人の秘密基地として
・もちろん季節を思う存分楽しむセカンドハウスとして
などなど。ほかにも、開発された住宅地では味わいにくい昔ながらの文化に触れたり、都会にはない温かな人や地域との触れ合いも魅力です。村祭りや地域の様々な伝統行事に触れていけるといいですね。一軒の家が、それぞれの年齢やライフスタイルに応じて様々な顔を見せてくれる活用法無限の週末田舎暮らしハウス。もし手に出来たら、きっと家族みんなの見聞と経験と人生を深めていってくれることでしょう。
まず、子供が小学校低学年くらいまでのうちは、個室があったしても、リビングを子供の学習空間と位置づけます。ダイニングテーブルの脇にはワゴンが常駐。食事が終わったらサッと調味料などをワゴンに移動するようにして、いつもダイニングテーブルが広々とした学習机。本棚や学習道具入れもリビングに用意しましょう。そこをメインに使うか、個室のサブ的位置づけにするかはイエそれぞれだと思いますが、とにかく子供が気軽にリビングで勉強出来る環境を整えます。
壁には50音表や九九の表、日本地図、その他色々な物を貼りましょう。学校からのお知らせなどを貼っておくボードも欲しいですね。ボートの給食の献立表を見て、家族みんなで「明日はプリンだね」「うん、楽しみ」なんていう会話が出来ると、それだけでも子供は学校が、ひいては勉強が好きになると思います。
この時期のリビングの活用目的は「親子学習」。低学年のうちは、書き取りやドリル式の計算の繰り返し、九九の暗記など、単純な記憶や経験の積み重ねによる学習が主ですから、誰かが一緒になってやってあげないと、子供はすぐに飽きてしまうんです。そのパートナー役が、お父さんお母さんですね。
逆に、この時期の子供の脳はどんどん発達していきますから、勉強が楽しければ、子供は目を輝かせて新しいことを覚えようとしていきます。それこそ自分で自分に詰め込んで苦にならない年代が小学校低学年の時期ですから、日々の成長をどんどん誉めてやる役割の人がいてくれれば、子供はどんどん伸びていくはずです。それもお父さんお母さんの役目だと思います。
リビングには楽器も置きましょう。どこで読んだのかは忘れてしまいましたが、演奏の技術は大人になってからでも伸びていく、しかし音感というのは主に10歳以下の経験で決まる…のだそうです。楽器があるのと無いのでは、きっと経験に大きな差が現れると思います。
お絵かきや工作なども、ぜひリビングで楽しみたいですね。クレヨンや画用紙、ハサミやセロハンテープ、糊などをいつも身近に常備しておいて、親子でテーブルを囲んで図工大会。色んなテーマで絵を書き合ったり、牛乳パックやお菓子の箱、紙コップなど身近な素材で、色んな工作を楽しんでください。粘土細工なども親子でぜひ。以前イエはてなでも紹介されていた色のきれいな蜜蝋粘土などを使うと、大人も一緒に楽しめると思います。
子供が4年生5年生になってきたら、もう学習は個室が中心になっていくでしょうが、逆に今の時代はこの頃から子供はネットに興味を持ち始めますから、それはリビングに置いたPCでやらせるようにしていきましょう。大切なことは、親のいる場所だと自由にネットが出来ないからつまらない、という印象を抱かせないことだと思います。この時期にそういう気持ちが芽生えてしまうと、個室にPCを持った時に歯止めが利かなくなってしまいます。PCの利用を制限するよりは、食事の時間、お風呂の時間などを予め決めておき、それによって区切りがつくような生活習慣を、先に作っておくことの方が大切だと思います。
子供が中学生、高校生になってきたら、リビングはくつろぎと語らいの場にしていきましょう。専用の本棚やマガジンラックなどが用意出来ると、子供はリビングで過ごす時間が長くなると思います。この時期になったら、リビングのPCも、軽くパーティションなどで区切った場所に置いてあげるといいかもしれません。個室で出来ることでも家族と一緒の場所がいい。そんなふうになってくれたらいいですね。
子供が二十歳を過ぎたら、リビングで親子で一杯、なんていうことも出来ますね。この時期になったら、キッチンとリビングの連携を考えていきましょう。家族が自由に出入りして料理が楽しめるオープンなキッチン。これで親子の一杯がグンと楽しくなっていきます。もちろんお酒を飲まない人は食の楽しみでコミュニケーションです。
そして子供が独立していったら。ここからはリビングがご夫婦のプライベート空間です。一緒に何かの趣味を楽しむとか、照明を工夫してご夫婦でグラスを傾けられる空間を作り出すとか、お好きに楽しんでいってください。こんな子供の成長に合わせて変化・進化していくリビングという計画はどうでしょうか。