「あの日、そして今……あなたの好きなイエの光景」

#002テーマ
「あの日、そして今……あなたの好きなイエの光景」


さて、今日は“ディア・ライフ”#002の語らいのスタートです。イエを舞台とした「愛しい日々」のショート・エッセイ、今回のお題は「あの日、そして今……あなたの好きなイエの光景」。これまでにもさまざまなイエと家族の光景が語られてきましたが、とりわけ心に刻まれているひとコマとそのエピソードを聞かせてくださいませんか? かつて住んだところ、今暮らしているイエ、お部屋やキッチンやお庭……。そこでみなさまの瞳に焼きついたのはどんな暮らしの情景でしょう。今回もきっと愛しみにあふれた物語や家族の姿が綴られる“ディア・ライフ”第2章、みなさまからのメッセージを楽しみにお待ちしています!


“アイデア・タイトル”
「陽のあたるベランダは、わが家の写真撮影所」
by hazama


“メッセージ”

今もことあるごとに帰省している広島の実家での話。私が小学2年生の時に父が購入したこのイエに、大きなベランダが増築されたのは中学生になってからのことだったと思います。陽あたりのいい南側、イエの側面いっぱいに、2メートルも出っ張るかたちで設計されて、結構な工事になりました。この、イエのどの部屋よりも広い屋根付きのベランダは、それからどれほど活躍してきたことでしょう。


野菜庫や小さなプランター菜園や物干し。母が毎日の暮らしの場所にするだけでなく、猫たちはリードをつけて日向ぼっこ。父が全面に敷き詰めた人工芝のグリーンに、すぐそばの山の緑が背景になってとっても気持ちよく、家族みんな大好きな場所です。私は、春や秋のいい季節にデッキチェアを出してきて、読書と居眠り(笑)。


そんなわが実家の自慢のベランダには、もうひとつ大切な役割が。そこは家族の記念写真の撮影所でもあるのです。スナップ好きの父が、「はい、そこに立って」と撮りはじめたのをきっかけに、数々の小さな記念写真がそこで撮影されるようになりました。弟や私のクラブの新しいユニフォーム姿、毎年1月のお茶の初釜の日に私は着物姿で、また高校の入学式や卒業式に母と一緒に写ったり、父や弟は釣りでしとめた大物を片手に記念写真。まだ小学生だった弟が大ウナギを持っている写真もあったりw 中学の時に、私がクローバーで編んだ花冠を恥ずかしがる母と猫の頭にのっけて撮ったことも懐かしく思い出されます。うちの猫がまだチビで帰省に連れて帰っていた時には、実家の猫と併せて4匹を、4人家族で1匹ずつ抱いてオートシャッターで撮ったことも。どの写真も、陽のあたるなかで山を背景によく写って、家族のささやかな歴史がここでフィルムに収められてきました。


今も、毎年お正月にはこのベランダで記念写真を撮っています。昨年の夏には、私は母の夏着物姿で猫を抱いてパチリ。たいていは父がカメラを手にしているので、父が写っている写真が少ないことに最近気づき、この夏は遅ればせながら父の退職記念の背広姿&ご隠居風の甚平姿を家族一緒に撮ろうかなと思っています(笑)。家族みんなでああだこうだ言いながら、もう1枚!などと賑やかにベランダで撮り合う記念撮影風景。私の好きな、大切なわが家の光景です。


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※今回の「いわし」ご投稿は6月21日(月)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は6月22日(火)に「イエはてな」にて発表いたします。
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