「ベランダで田んぼ」by id:Fuel


今までにも何度か登場しているベランダ田んぼですが、私もやってみることにしました。使ったの苗は、田植えの残りとして田の隅に置かれていたのを頂いてきた物です。というより、所用で遠出した折、たまたま田植えが終わったばかりの田の横を通りがかり、ひとかたまりの苗が残されているのを見たのが、今回のベランダ田んぼプロジェクトの発端でした。


うまい具合に田んぼで仕事をしているおじさんが近くにやってきましたので、こんにちはと声をおかけしすると、とても快く会話に応じてくださいました。そして、余った苗を少し分けて欲しい旨お願いすると、これまた快く応じてくださいました。


「田んぼの土の硬さはアンコぐらいな。植える時はこの束から4〜5本ずつ取って植えていく。こうやって引っ張って取って大丈夫だよ。ここは機械植えだから稲と稲の間隔が狭いけど、本当は尺植えっていって一尺間隔で植えてやった方がいいんだ。田植え後数日は水を深くしてやってな。そうすると根がよく活着する。数日して元気良く伸び始めてきたら水位を低くして水温がよく上がるようにしてやるといいよ」
などと、色々と育て方のコツも教えていただきました。


肥料については、おじさんがおっしゃるには、稲というのは元から土に含まれている養分を中心に吸い上げる性質があり、後から追加して与える肥料の効果は元肥の3割りくらいなんだとか。というわけで、最初に良く肥えた土を用意するのもコツの一つのようです。


「稲の元気は葉の色でわかるからなー。緑のいい色をしていれば元気だ。元気に育てろよー」
「はーい!ありがとうございましたー!」


こうしていただいてきた稲の苗を、発泡スチロールの箱に土を入れた即席田んぼに植えることにしてみました。さすがに発泡スチロールの箱では面積が狭く、おじさんに教えていただいた「尺植え」にはできませんでしたが、できるだけゆったりと植えてみました。今はしっかり活着して、すくすくと葉が伸びています。


この後は夏に一週間くらい、ドロの中のガスを抜き酸素を取り入れさせるために水を抜き(中干し)、再び水を入れたら稲穂のための追肥をしてやればいいようです。


こういう稲育ては学校でもやっている所が多いと思いますが、ぜひご家庭でもいかがでしょうか。親子で観察しながら育てる稲は、きっとかわいい家族の一員になってくれると思います。


なお、溜まり水にはボウフラがわく可能性がありますが、蚊の卵は生み付けられてから孵化するまでに約一週間かかるそうですから、5日間隔くらいで水を換えていれば、ほとんど心配はないものと思います。私は発泡スチロールの箱の横に水抜き用の穴を開け、普段は栓をして塞いでおき、5の付く日に栓を開けて水を抜くことにしています。代わりの水は予めバケツで日なた水を作っておき、お日様でよく温まった水を注ぐことにしています。
新しい水を注ぐ時は、土の上に空き缶などを置いてそこに注いでいくようにすると、水流で土が掘れてしまうことがありません。


秋になって収穫できたら、ぜひその実りを「イエ新嘗祭」につなげてください。
■ 食育としての「イエ新嘗祭id:MINTさん
http://q.hatena.ne.jp/1249447975/228209/#i228209
理科学習としても、命を見つめる勉強としても、食育の一環としても、ベランダ田んぼは楽しい経験を与えてくれると思います。夏は青々とした稲の茂るベランダで過ごしてみるのも楽しそうですね。


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