「ベランダをミニ・バードサンクチュアリに」by id:TomCat


バードサンクチュアリ、つまり鳥の聖域、楽園です。ここではご近所から苦情が出やすい鳥の餌場作りではなく、地域の環境とベランダの緑をひとつながりにして、結果的に野鳥も立ち寄ってくれる場所にする、という方向で計画していきましょう。


計画の中心は、実のなる植物です。果物屋さんで売っているような果実をベランダで実らせるのはなかなか大変なことですから、普通はそれを小鳥に狙われたらコラーっ!!てなことになりがちですが、人間にとっては観賞用でも、小鳥には食糧になる果実もたくさんありますから、そういう果樹なら、実の美しさを鑑賞しつつ、それをついばみに来る小鳥の可愛らしさも鑑賞する、といった楽しみが出来そうです。


特に晩秋から冬にかけては小鳥達の餌が不足しますから、その頃に実りを迎える木を植えてやりましょう。たとえばお正月の飾りとしても喜ばれる縁起物のセンリョウ(千両)なんていいですね。これは鉢植えでも十分育てられます。半日陰でも大丈夫ですから、場所はベランダの隅っこでも大丈夫。もちろんある程度は日に当てた方が実の付きは良くなりますが、むしろ強い直射日光に曝すと葉焼けを起こしますから、どちらかというとそちらの方に注意してくださいね。なお、センリョウは挿し木や実生で増やせます。


マンリョウも植えてみましたが、こちらはちょっと人気が低かったようです。小鳥にとっては、どうも万より千の方が美味しいみたいです。
もちろん今の季節に実を結ぶ樹木も、繁殖期の鳥達に栄養を与える意味で大切ですね。今そのために欲しいと思っているのがユスラウメ。人間が食べても美味しい果実がみのる木でますが、これも実生でも挿し木でも増やすことが出来ますから、一本くらいは小鳥用にしてあげましょう。実生でも3〜4年で実を付けるようになります。なお、こちらは日当たりを好む植物ですから、ベランダの日当たり一等地を選んで置いてあげてくださいね。


他にも色々な小鳥の好む実がなる植物があります。
* 比較的世話が簡単で
* 実を多く結び
* 実生や挿し木で増やしやすいもの
がお勧めです。そういうのを親子で調べてベランダに植えていったら、きっとそれが親子の共通の話題となって、そこから楽しい語らいが広がっていくことでしょう。


続いて用意したいのは小鳥の水浴び場ですね。これは次のいわしに詳しい作り方が書かれていますから、ぜひそちらをご覧ください。水深は、スズメ大の鳥なら2cmくらい、ムクドリ大の鳥の場合は4cmくらい、キジバト大の鳥なら6〜7cmくらいが適しているようです。来る鳥に合わせて何種類か用意してあげるといいかもしれません。もちろんこれは水浴び場としてだけでなく、水飲み場としても役立ちます。

■ お皿で小鳥の水浴び場を作る
by id:Oreganoさん
http://q.hatena.ne.jp/1216702101/177144/#i177144


こんなふうにして用意した場所にもし小鳥が来てくれたら!! それはベランダが、地域の自然とつながったということです。ちょっと難しい言い方をすれば、ベランダが生物群の循環的・継続的生息空間と有機的に結びついたということ。これは素晴らしいことだと思うんです。


自然とひとつながりのイエ。そういうイエを親子で作り上げていくことが出来たら、その中で子供はどんなに大きな経験を得ていくでしょう。私の父も小鳥が好きで、庭にたくさんの実のなる木を植えてくれました。私は一度、人としての道を大きく踏み外しかけましたが、そこから立ち直れた背景の一つには、こんなふうに親子で自然と命を見つめてきた経験があったから・・・・なのかもしれないなあと、今になって思ったりしています。


親子で作る小鳥の来るベランダを、皆さんのイエでもぜひ考えてみてください。給餌台を作って積極的に鳥寄せをする場所とは違いますから、きっとどのご家庭でも実現できると思います。


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