「ブンブンゴマで色遊び&イエ・サイエンスショー」by id:YuzuPON


地域や年代によって呼び方が違うかもしれませんが、「ブンブンゴマ」というのをご存じでしょうか。円形の厚紙に紐を通して、よじった紐を引っ張ると円盤がブーンと回るという物です。よくわからない方は、このあと動画のURLをご紹介していますので、それを見てくださいね。きっとすぐに「あれか」とわかると思います。


作り方はとても簡単です。材料は、厚紙と凧糸。
まず厚紙にコンパスで円を書きます。半径4cm(直径8cm)くらいが扱いやすい大きさだと思います。円が書けたら、ハサミで丸く切り取ってください。きれいな円に切り取れると、よく回るコマになります。


次に、凧糸を通す穴を開けます。位置がしっかり決められるように、コンパスの針の跡を通る直線を引きましょう。つまり円の直径となる線ですね。穴は2つ開けますが、その間隔は1cmくらいがちょうどいいと思いますので、円の中心点から5mmずつの位置にマークを付けて、千枚通しなどで穴を開けてください。ただし手を刺さないように注意。お子さんの場合は、まず畳んだ新聞などの上に厚紙を置き、コンパスの針などで刺して小さな穴を貫通させてから、爪楊枝など刺さっても大きな怪我にならない物でその穴を広げていくようにするといいと思います。一気にブスリとやろうとせず、少しずつ穴を広げて差し込んでいくようにしましょう。


続いて凧糸を切ります。長さは60cm、つまり折り返して30cmくらいが扱いやすいと思います。そのくらいの長さに切ったら、糸の両端をさっき開けた二つの穴に、同じ面からそれぞれ通して、結んで輪にします。これで出来上がり。あとの遊び方はこの動画の通りです。
http://www.youtube.com/watch?v=AdGYYYo7Jf8&feature=related


良く回るコマ作りのコツは、まずひとつは円盤とする厚紙に本当に厚い物を使うこと。慣性の力で糸をよじって何回もブンブン回し続けるわけですから、それなりの質量が必要ということですね。厚さが足りないようでしたら、二枚または数枚重ねて貼り付けて使ってください。
もう一つのコツは、二つ開けた穴の中心が、しっかり円の中心と一致することです。この二つがしっかりしていれば、必ず良く回るコマになるはずです。


さて、ここからが色遊び&サイエンスショーのはじまりです。クレヨンや水性顔料マーカー、ポスターカラーなど、下地が透けず色がハッキリ塗れる物を用意してください。そしてブンブンゴマに様々な模様を様々な色で書いていきます。それを回すと、どんな風に見えるでしょう。
何種類ものコマを作って試してみるといいですね。水性顔料マーカーなら塗り重ねができますから、回してみてつまらなかったら、どんどん新しい色や模様に塗り変えてしまいましょう。


一応基本として、円を二等分して片方を赤、片方を青などのかけ離れた色で塗りつぶし、回したら何色になるかな?なんていうクイズもやってみてください。


さらに高度な色遊びとして、「ベンハムのコマ」「大王のコマ」といった物もあります。これは白黒の模様を回転させると、不思議なことに色が浮かび上がって見えるという物です。


東京工業大学のサイトに、おそらく子供向けの物理科学実験イベントだったのだろうと思いますが、「色を遊ぼう! 〜いろどりレストランへようこそ〜」と題したページがあり、その中でこれが取り上げられていましたのでご紹介しておきます。
http://www.t-scitech.net/miraikan/color/


こちらに「ベンハムのコマ」「大王のコマ」の図形があります。適宜拡大してモノクロでプリントアウトして厚紙に貼り付ければ、すぐに使えそうです。
http://www.t-scitech.net/miraikan/color/benhamprint.gif


同サイトでは、ベンハムのコマは色が写真に撮れなかったとしていますが、大王のコマはちゃんと色が出ている写真が撮れています。このことから、ベンハムのコマは錯視、つまり目の錯覚で色が見えているように感じているだけなのに対して、大王のコマは何らかの理由で円盤から反射される光の周波数が変調を受けていると考えられます。
どちらの現象も、まだ完全には解明されていないようですので、特にそこの理系のお父さんお母さん!!お子さんと一緒にこの謎に挑んでみてはいかがでしょうか。もしかすると子供のころのコマ遊びから、未来の科学者が育つかもしれません。


ただしくれぐれも、お勉強にならないよう、楽しい遊びとしてやってくださいね。楽しく遊ぶ中で不思議に気付く。家庭の科学は、ここが面白いのです。


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