「色の光で影絵」by id:Oregano


私のイエには古いスライド映写機があります。それで父母がやってくれたのが楽しい影絵シアターでした。影絵の素は、紙を切り抜いて割り箸の柄を付けた物もあり、手の形で影を作る場合ありでバラエティに富んでいましたが、特に楽しかったのは、場面ごとに光の色が変わる所でした。スライド映写機が光源ですから、スライドの枠に色セロハンのようなものをセットしてお手製のカラーフィルターとすれば、カシャンとスイッチを切り替えるだけで簡単に光の色を変えることが出来るんですね。


今日の出し物は赤ずきんです。場面がパッと暗い青の光になって、わぁぁ、大変です、おばあさんがオオカミに襲われています。まるで映画を見ているような臨場感。さすがにこれは幼い私が恐がって、あの時はちょっとやりすぎたなぁと今ごろになって父が苦笑していますが、とにかくそのくらいの演出効果がありました。
皆さんがされる時は、あまり怖い要素のない、明るい色の光だけで演出できる物語を選ばれるといいかもしれませんね。


スライド映写機がないご家庭では(というか普通はそんなのないですよね)、適当な光源と色セロハンの組み合わせで、簡単なカラー影絵シアターセットが作れると思います。光源は熱を持ちにくい懐中電灯がいいでしょう。反射板を外した懐中電灯を適当な箱にセットし、箱の前面をくり抜いて光の照射口とし、照射口の手前にスリットを刻んで、そこに色セロハンを張った枠を差し込めるようにでも作ればいいですね。大きな懐中電灯を光源に使えば、本格的なセットが作れそうです。反射板が一体になっていて取り外せない懐中電灯の場合は、反射板に白い紙を乗せてください。そうすれば光が中心に集中する懐中電灯特有の映り方が防げます。


影その物に色を付けるのも楽しいですね。色セロハンを透明なプラ板に貼り付けてそれを切り抜いて影の素にするんです。動物などの形を紙で作り、目の部分などをくり抜いて、そこに色セロハンを貼るなどの細工も楽しそうです。こういう作業も親子でやると、早く外が暗くならないかなぁと、子供はもうワクワクでしょう。こうした影その物に色を付けていく演出方法なら、光は白色一色で十分ですね。光が拡散して部屋が明るくならないように工夫するだけでOKでしょう。


なお、こうして作った「色付き影の元」を壁に垂直に貼り付け、下から適当な照明で照らしてやると、壁に幻想的な模様が浮かび上がる楽しいディスプレイになります。クリスマスに星形の影を壁一杯に映し出したり、ハロウィンにカボチャとコウモリと魔女の影なんていうのも楽しいと思います。光の置き方によって壁に長い影が出来たりして、ちょっと非日常的で幻想的な世界が現れます。光の色も工夫すると、一層効果的でしょう。
影は一つ間違えるとサスペンスタッチ満点の演出になってしまいますので、お子さんが恐がらないような楽しい雰囲気作りを第一に考えてみてくださいね。


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 光


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