「部屋の明かりの夏じたく・虫を呼びにくい照明に変える(+お部屋の紫外線対策)」by id:YuzuPON


冬には冬の温かな色の明かり、夏には夏の涼しげな色の明かり。こういう季節に合わせた照明の模様替えをするお宅は多いと思いますが、その際にはぜひ「虫を寄せ付けにくい明かりに変える」ことも考慮に入れていきましょう。


以前も「紫外線カットの蛍光灯で虫を呼ばない照明術」
http://q.hatena.ne.jp/1234759922/204494/#i204494
ということでちょっと触れましたが、人間と虫とでは、光の見え方が全然違うんです。


波長が10〜400nmの人間の目には見えない領域の光を紫外線と呼ぶことは皆さんご存じだと思いますが、虫の目の感度は、波長360nmをピークとする紫外線領域に集中しているんです。つまり、照明の光から紫外線をカットすれば虫が寄ってきにくくなる、ということです。


照明の光から紫外線をカットする方法には、次の三通りが考えられます。
1.紫外線カット対策の施された蛍光灯や、紫外線領域の光を出さないLED照明を使う。
2.カバーに紫外線カット対策が施された照明器具を使う。
3.窓ガラスに紫外線カット対策を施す。


1の方法は一番簡単ですね。お店に行って虫の寄って来にくい蛍光灯を買ってきて、それに交換するだけです。メーカーによってカットを開始する波長が違いますので、演色性(色の見え方)や虫の寄り付きにくさが微妙に違いますが、とりあえず虫が寄って来にくいとされている蛍光灯なら、それなりの納得できる効果が見られるようです。
LED照明は省エネの点からも、これからの注目株ですね。LEDは素子の設計段階から発光する波長を決められますから、紫外線が発生してからカットする蛍光灯とはわけが違います。最初から紫外線を含まない明かりが実現できるんです。まだ価格、演色性などが完全にこなれているとは言い難いですが、そろそろ今年の夏は「使ってみようかな」という声がたくさん聞こえてくる明かりになりそうです。


2の方法は照明器具ごと交換の必要がありますが、新築やリフォームを検討している人などには、とても効果的な方法ではないかと思います。
http://www.sumu2.com/top/wake/2005_8/index.html


3の方法は、昼間は太陽光の紫外線をカットし、夜は虫を寄せ付けにくくするという、一石二鳥の方法ですね。
私たちが普通紫外線と呼んでいる光は、波長 380〜200nmの近紫外線と呼ばれる領域です。
・UV-A(波長315〜380nm)
 主に皮膚の真皮層に作用する。UV-Bによって出来たメラニンを酸化させて褐色に変化させる。
・UV-B(波長280〜315 nm)
 主に皮膚の表皮層に作用し、人間の体はこれに対抗してメラニンを生成する。
・UV-C(波長200〜280nm)
 今のところオゾン層が有効にブロックしてくれているので問題になっていない。
主に日焼けの原因とされるのはUV-Bですが、虫の目の感度はUV-A領域に集中していますから、紫外線カットフィルムを選ぶ時はUV-A領域から有効にカットしてくれる製品を選んでください。UV-Aもメラニンを褐色に変化させる作用を持ちますから、これをカットすれば白い肌を保つのに役立ちます。


こんな三つの方法による「明かりの夏じたく」で、ぜひ快適な夏をお過ごしくださいね。紫外線をカットすることは健康のためにもいいですし、ファブリックや印刷物、絵画などの色褪せも防ぎます。


最後に商業関係のお仕事の皆さん、今はこんな有効な虫を寄せ付けない方法があるんですから、もうわざと紫外線を出して虫を呼んで電撃で殺すような装置の利用はやめにしませんか。小さな虫も大切な自然の一部です。虫たちも環境を担う大切な存在なんです。明かりから始める自然保護で企業姿勢をアピールする、そんなお店作りをぜひ考えていきましょう。


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