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バンドでもお笑いでも、三人組、トリオって多いですね。
ジャズではトリオ形式が構成の基本の一つになっていますし、ロックでも名トリオと呼べる三人組がたくさんいます。
ロックの場合は昔はビートルズのような、ドラム・ベース・リードギター・サイドギターという四人組が基本構成だったと思いますが、超人的な腕前を持つギタリストが多数登場してきたことによって、メロディを受け持つリードギターとコードを受け持つサイドギターという分業の必要が無くなり、基本構成はドラム・ベース・ギターの三人組。四人以上になる場合はキーボードが入るとか、楽器を持たないボーカルが加わるといった構成に変化してきたと思います。
お笑いのトリオは軽演劇の世界からお笑いに転じた由利徹、南利明、八波むと志の三氏による「脱線トリオ」などがその初期のユニットだと思いますが、ボケとツッコミで構成される二人組の漫才とはまた異なった、一人一人の個性が光る新しいお笑いの世界を切り開いたと思います。
洋楽の世界では、ダイアナ・ロス、メアリー・ウィルソン、フローレンス・バラードのシュープリームス、そしてさらに時代を遡ると、日本のカレッジフォークの火付け役ともなった三人組の名前そのままのピーター・ポール&マリーなど。これらの三人組は、どんなに時代がたっても音楽の歴史にしっかり刻まれ続けることでしょう。
フィクションの世界でもアトス、ポルトス、アラミスの三銃士からはじまって、ルパン、次元、五右衛門の三人組、さらにはアニメ「パワーパフガールズ」のブロッサム、バブルス、バターカップの三人組まで、枚挙に暇がありません。
あ、「三匹が斬る」なんていうのもありました。別々に旅をしている3人の浪人が、必ず毎週一つの事件に引き寄せられて偶然集まってしまい、最後には三人で悪党をやっつけるという、お約束満載の痛快時代劇でした。
児童文学で馴染みが深い三人組は、何と言っても「ズッコケ三人組」でしょう。
- 作者: 那須正幹,前川かずお,前川澄枝
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長い年月を子供達に愛され続けてきたこの花山第二小学校六年の三人組は、今や「ズッコケ中年三人組」。この新しいシリーズでは物語の中でみな歳を重ねていき、50歳に達したらタイトルが「ズッコケ熟年三人組」に変わる予定とか。まだまだ三人の物語は果てしなく続いていくようです。
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ところで、現実の私たちの世界での三人組となると、親しさが増して来るに従って特定の二人組の仲が突出してくるなどして、長く三人組を維持していくのはなかなか難しいと思うのですが、いかがでしょうか。
幸い私は学生時代から続く、奇跡のような素晴らしい三人組の一人に加えてもらっています。一人一人は「友」。しかし全員が揃った「仲間」という形も欠かせない。そういう三人組なのです。お互い仕事を持ち、結婚したやつもいるこの三人組が、今もずっと変わらず続いている秘密は何なのでしょう。それは私にも分かりません。でも一つ言えるのは、私達は皆、それぞれの一部だけでなく、大げさに言えば全人格を好きなんだと信じ合える仲間だということ。もちろん人の全てなんて分かるはずがありませんが、まだ知らない部分も含めて、その全てに友情を感じているということ。だから何があっても裏切られたと思うことが有り得ない。そういう仲間なのだと思います。
長く関係を維持していくことが難しい三人組だからこそ、いつまでも変わらない友情がそこにあると信じられる。三人組という言葉は、人生を幸運に導いてくれるキーワードの一つなのかもしれません。