「鷺草を戻すためにできること」by id:vivisan


私はいろいろな花が好きです。が、一番好きな花は?と言われたら、「鷺草」と答えると思います。
もともとある漫画にでていて、本当にそんなカタチをしているのだろうか?と思っていたのですが、友達に球根をもらった母が育てた実物を見て、可憐であるけれどもでも凛とした雰囲気をもった姿に惹かれました。
でも鷺草って本来、湿地に自生しているんですよね。乱獲されたり、湿地がどんどん埋め立てられて鷺草が生活する場はなくなっていったのでした。
そして、鷺層が絶滅危惧種レッドリストに上げられてしまいました。


ダイアリーで鷺草のことを書いてあるので、わかる範囲で日付いれてみます。2年目以降は日記になかったので、思い出して・・w


2007年のある日
イエはてなの影響で母といっしょに園芸ショップにいったときのこと。ポットの中に咲いた花を見ました。鷺草です。もう何年も花を見ていないよなぁ・・。
鷺草、自分でも育ててみたい・・。
そこでいろいろ調べていくうちにレッドリストのことを知りました。
自生の場所がどんどん減っている・・。園芸では販売されていますが、本来は湿地にひっそりと咲くものです。これってなんとかできないだろうか?かといって私にできることなんてありません。それよりも自生のものを見たことがないのです。でも私にもなにかできるように・・まずは鷺草を知ろうと思いました。増やせば鷺草を戻せるかも・・と思っても、自分が育てなければなにもはじまらない。夏の時期に可憐な姿をみたいとだけ思っていた気持ちが、少しだけ変わってきました。だって鷺草がすきだもん。


1年目
2007年3月18日
イエはてなで興味をもったガーデニング。まずは母に教わりながら。
底の浅い四角い鉢を用意。まずは鉢底石をつめて、山野草の土を入れ、穴をつくってそこに球根をいれ、ふたをします。その上に水ゴケをのせました。最初はこんな感じでいいや。
しかし、どうでしょう?申し訳程度においたミズゴケはすぐに乾いてしまうのです。やばい・・。これ、育つかしら?


2007年4月4日
なんかミズゴケがすぐ乾く。まだ芽もでない。どうしよう?失敗しちゃったら・・。
母はそんな早く目がでるわけがないでしょうというけれど、なんか怖くて・・・。
というわけで、鷺草の種ふやしました。今度はミズゴケのみで栽培です。


2007年4月17日
芽がでてきました。けっこう時間がかかったかも・・。
あれだけ芽がでるのに気をもみましたが、暖かくなってきて、鷺草も目をさましてくれたみたいですね。ほっと一安心♪


2007年8月1日
とうとう1つ目が咲きました。まだひとつなんだけど・・。
でもガーデニングはじめて初めてだったので感動もひとしお。自分で手塩にかけて育てたものはすっごくうれしくて感謝でした!本当に幻想的な気分になります。
無事に育ってくれてありがとうね♪やっぱりきれい♪ 一人鷺草を見つめてニヤニヤ。
この日の日記にはこう書きました。

そして増やすことができたら、どこかの湿地帯に球根を提供できれば・・ってこれじゃあ野生じゃないだろうけど・・。
この花が見られる風景は壊したくないな・・ホント。


ただね、ミズゴケバージョンは病気にかかってしまいました。


笑ったのは、あたしが鷺草を必死!?で育てているのをみた母は自分もまた育ててみたいと思ったらしく、こっそり球根買ってきて植えてましたw


花が終わったあとの反省:
とりあえず来年はミズゴケのみで育ててみよう。
鉢の冬越もなんとか無事におわりました。
ただ、この一年で私は気づいたらガーデニングが趣味になってました。これは絶対に母譲りです。でもいろいろ相談できるのでありがたい♪


2年目
2008年3月1日
冬越しした鷺草の球根を調べてみる。なんか・・・購入したものより小さい気が・・。
水あげるの控えすぎててミズゴケがからからに・・。でもなんとか生きててくれた!
さすがにこの量は少ないけど、なんせ夢は湿地に鷺草を戻すことだもんね。てなわけで、球根を増やしました。
今回も底の浅い四角の鉢を用意。サイトを見てみると消毒したほうがよいと書いてある。けれど消毒なんてしたくない・・。
一応鉢は熱湯で消毒。。
今度は鉢底石をおいたあと、ミスゴケを直接投入。穴をつくってそこに球根を入れ、ふたをしました。鉢2つとすごく小さな鉢1です。


2008年6月
順調です。ただミズゴケの一部が緑色になってます。その近くの球根は一部芽のでないものもありましたが、平均的にはみな発芽しました。
ミズゴケだけのほうが水をやるにはやりやすいのかも。


2008年8月
ほぼ全てが花が咲きました。これなら今年は増えそうだ♪
2年続けて花を咲かせることで自信がどんどんついてきました。


2008年10月
ところが悲劇はそのあとでおこりました。
無事に花が咲いて、枯れて・・・ここまでは昨年と同じでした。すると大きな鉢の1つにおいて、茎とミズゴケの境の辺りににタラコの粒のようなものが3,4個ついてました。
なんだろう?カビみたいです。
とりあえず鉢の中を調べてみると、みんな根が縮れ、球根はしわくちゃ・・。
隣においてあるもう一方の鉢はそんなことないみたいですが・・。
やってしまいました・・。鉢一つ分だめにしてしまいました。
もし、これがカビなら排水処理がうまくいってなかったのかしら?


花が終わったあとの反省:
よって今年の鷺草の球根は増えるどころか減ってしまいました。
来年もまた同じ現象がでてきてしまったらどうしよう?
こんな状態では鷺草を戻すどころか、逆にダメにしちゃってるんじゃないか?
なんかショックでした。
もう一度鉢について考える必要がありました。


3年目
2009年1月
ネットで栽培方法を調べていて、鷺草の自生地ってどこだろう?と思いました。
調べてみると兵庫、水戸、いろいろな地域が出ています。
そこで見つけたのは愛知県の尾張旭市や東谷山(名古屋市守山区尾張旭市をまたがる)という文字でした。近くに友達がいるので東谷山はよく通ります。それなのに私見たことなかったんです。
しかも岐阜にも少ないながら自生地を発見したのです。
意外と近くにあるんだ・・。でも立ち入る時間を制限した所も少なからずありました。そりゃそうだよなぁ・・。
「鷺草を守る会」のような運動をしているところはあるんだろう?
すると、自生地がある地域には活動をしているところがあり、戻すためにいろいろされているようでした。


しかも、東国山(名古屋市守山区)の人は、湿地に生えた鷺草を守ろうと20年の間栽培してどんどん増やしてきたんだそうです。
すごいなぁ・・。20年って大ベテランだよね。けっこう近くにがんばっている人がいるんだ・・・・と思ってその人のURLを見ていくと、栽培の仕方が掲載されていました。
鷺草は水がつねにある状態で生活している。水がなくなったらいきていけない。
あたりまえなのですが、少しでも環境に近い状態で栽培してみるということで、うき舟式の鉢を使用していたのでした。
あ、うかべて栽培するわけだ。なら水切れを心配することもなさそうです。
次回はこの方式で育ててみよう!
http://www.geocities.jp/tougokuyamanoosarusan/


2009年3月
容器となる鉢をさがしました。大小1つづつの発砲スチロールトロ箱です。
小さいトロ箱を少し切って、高さを低くしました。だいたい半分ぐらいの高さがちょうどいいぐらいです。
小容器を裏にして、割り箸で穴をあけていきます。
その上にミズゴケを半分の高さぐらいまで入れます。
その上に種を於き、またその上にミズゴケを乗せました。
ここまではなんとなく、昨年と同じですが、ここからが違います。
もうひとまわり大きなトロ箱に水をいれて小さい鉢を浮かべるというやり方です。
これなら水がかんたんに枯れないし、水がなくなったなと思ったら足せばよい。
あと、水は弱酸性がよいそうなので、できるだけ水道の水は避けたほうがよい。
なるほど。では、実家の井戸水を使用しました。
それとは別に鉢バージョンもとりあえずやってみることに。こちらは昨年と同じ方法で+水道水にしよう。


2009年4月
同じぐらいに芽がではじめる。同じ気候・温度だものね。
場所は常時日があたるわけではないけど、比較的日当たりがよい場所にうき舟の箱を置く。こんなところで枯れないかしら?
もうひとつの鉢のほうは以前と同じところ。朝少し日があたるが、その後はほぼ日陰。


2009年6月
鉢:成長してるんだけど、ふと気がつくとまた四角の隅が緑色になっていた。これ藻っていうかコケみたいなものだよね?多分・・。やっぱり日陰はまずいのだろうか?なにか病気がきた時天然の日光消毒ができないのだから・・。
浮舟箱:やはり日光にさらされているからか緑っぽいのはないように思う。どちらかというと緑が濃い気がする。


2009年8月
とりあえず両方とも咲いてくれましたが、やっぱり日にあたったほうが元気です。茎の緑の色が濃い。
鉢のほうは、途中で葉っぱが黒くなって途中でだめになってしまったものもありました。
両方ともきれいに咲いてくれたけどね。やっぱり日に当たったほうがいいのかと思いました。日光が照りつけて水の減りははげしいけど、足し水するだけなので。


さて、1月現在まだ球根の数は確認しておりません。植え替えるときにどれだけの差があるのか確認をしてみたいと思います。
お水もよかったみたい。とりあえずは井戸水でしたが、弱酸性がいいとのことなので、PHとかもちゃんとはかってみたいと思います。
そして4年目になる今年は鉢ではなく、浮き舟箱オンリーでいこうと思います。私の浮き船箱は、源氏物語の宇治十帖から、「浮舟」と命名しよう♪ってまんまですがな・・。


私はこの方のページを見て、本当に感激してしまいました。私がやろうと思っていたことを実践されている。しかも湿地に住むほかの植物にも目を向けていらっしゃる。
私の考えってまちがってなかったんだ・・戻すという方法もありなんだ・・と力が沸いてきました。
一般公開もされてるみたいなので、一度現物を見てみたいと思っています。
また、今年は岐阜・愛知にある湿地帯の自生を実際に見てみようと思います。
本来自生の鷺草は健康がとりえ。なのに園芸品種はとても病気に弱いのです・・。
幸い岐阜の湿地帯・・それほど遠くないのでボランティアとか参加してみようかな。
鷺草が自生と同じような気分になってくれるような環境に近づけていけたら・・と思います。
鷺草は私にとって、本当に特別な植物になりそうです。
そしていつの日か、湿地帯にたくさんの鷺草が風になびくさまをこの目でみたい。
微力ながらお手伝いしたいと思います。


しっかし、古い日記をよみかえしていて、あたしのガーデニングはイエはてなとともにあるのだなぁw こんなにガーデニング好きになたtのはイエはてなのおかげです。母とのコミュニケーションも植物のおかげでよりいっそう濃いものになったと思います。いい親孝行させてもらっています♪


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