★★(二ツ星)

鏡餅再生、健康長寿を祈ってゴマ餅に変身」by id:Oregano


最近はパック入りの鏡餅が主流のようですが、鏡餅は二段重ねの形に意味があるというのがわが家の言い伝えですから、わが家では毎年近所の和菓子屋さんに注文を出して作ってもらっています。
http://q.hatena.ne.jp/1166160369/61663/#i62023
これがまた三人家族にしては、やたらに大きいんです。昔は一寸、三寸といった小さな物を注文していたらしいのですが、家を建てた記念に五寸にグレードアップしたとのことで、今はずっとそのサイズになっています。五寸の鏡餅に使われる餅米は、なんと一升だそうです。
毎年鏡開きの後はお汁粉にし、一部を揚げて食べ、残りは水餅にしておきますが、さすがにお正月にずっとお餅が続いた後ですから、水餅にした分は正直な所、人気がないんです。そこでこの鏡餅をおいしく再生する工夫を考えてみました。
まず鏡餅は、ガチガチに固まってしまった表面部分と、まだ少し水分が残る内側に分別します。表面部分は揚げ餅用。今回のゴマ餅は多少水分が残っている部分を使います。お餅は適当に割り、蒸し器で蒸します。この間に、臼代わりの木の捏ね鉢と、杵代わりのすりこぎを水に浸して、貼り付き防止用に水分を吸わせておきます。
お餅が柔らかくなったら取り出して捏ね鉢に入れ、改めてつきます。気合いを込めてつきます。昔から鏡餅を食べると力が授かるという言い伝えがありますから、ここで少しくらい体力を消費しても大丈夫。後でちゃんと補給されます(笑)。
全体になめらかなつき上がりになったら、小振りの大福一個分くらいの量をとり、片栗粉を手に付けながら丸くまとめていきます。丸くなったお餅は、同じく片栗粉を振り掛けたバットの上に並べておきます。
次にこしあんと金ゴマを用意します。金ゴマはバットの上にあけて広げておきます。丸くなったお餅の周りをあんこで包み、ゴマの上で転がすと、これで、
・縁起のよい鏡餅
・改めて神器の鏡を現すとともに円満を現す丸に再生され
・家運隆盛を現す金色の衣に包まれた姿になって
・ゴマの持つ豊富な栄養と共に再登場!
の縁起のよいゴマ餅の出来上がりです。
別のツリーに、ゴマはお餅と混ざると噛みにくく、そのままでは消化されにくいという書き込みがありました。ですから、できればこのゴマ餅に使う胡麻も切り胡麻にするとよさそうですね。切り胡麻ならそれなりにゴマの形を保ったまま、消化吸収の効率を上げることが可能です。
ゴマは草丈約1m。旱魃に強く、多数の実をつけるので、困難も乗り越えて栄えるイエの象徴と言えるでしょう。
またゴマは古くから生薬としても扱われていたそうです。カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、亜鉛、ビタミンA、B1、B2、B6、ナイアシン葉酸、Eなどの様々な栄養素が豊富に含まれ、良質のタンパク質やオレイン酸リノール酸なども豊富で、健康維持のための栄養源としてだけでなく、パワーの源としても最適です。さらにゴマの持つ抗酸化作用は細胞の老化やガン化の抑制にも効果があると言われています。またゴマには肝機能を強める効果やコレステロール抑制の効果もあるそうですから、飲み過ぎ食べ過ぎの正月の後には最適な食べ物ですね。
このゴマ餅は大人気で、今年はあっという間に鏡餅が無くなってしまいました。お正月の残りの普通のお餅でも同じように作れますから、お餅が余っちゃったという人は、ぜひこの縁起のよいゴマ餅で締めくくってみてください。


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★★ ミシュランコメント

このメッセージのなかに、昔ながらの大きなお鏡餅を心から祝い、美味しく味わい尽くすアイデアがいっぱいに詰まっていることにまず感動しました! そして最後の締めくくりに作る「ゴマ餅」に込めた、家族円満・家運隆盛・健康長寿の祈願。ゴマの奥深い栄養と金ゴマの衣で丸餅にという、縁起と栄養学と美味が三位一体となったお鏡レシピは、もうこれしかない!とうなずいてしまう傑作です。お鏡は「おしるこ」「揚げ餅」にとどまらず、最後にこの「ゴマ餅」を家族みんなで祝いたい。そう、まるでこれが古来の伝統であったかのような、日本の心を究めたメッセージに★★を贈ります!