イエコト・ミシュラン

「壁に布を垂らすだけでできあがりの床の間空間」by id:CandyPot


イエはてなが始まったばかりのころにもちょっと書いたことがありますが、私の壁活用は床の間です。といってもただ壁に無地の布を垂らしただけ。その布が、部屋の中に床の間のような空間を作り上げてくれるんです。
http://q.hatena.ne.jp/1162965969/54820/#i54820
使う布は、普通の洋服生地だと幅が広くなりすぎますので、私は幅鯨尺一尺九寸(約72センチ)、つまり普通の反物の倍幅の和服地を使っています。今掛けているのはちょうどこのページに「金茶系」と書かれているような色。
http://www.rakuten.co.jp/iromuji/151304/361683/1855223/
春には桜色、夏は藍染めなど、季節によって様々な布を使い分けていきます。
どの布も無地ですが、同じような色でも、絹なら艶のある平織り、細かいシボで光沢を押さえた縮緬、表面に艶やかな文様が浮き出た紋意匠、そのほか木綿や麻など、織り方や素材によって驚くほど表情が変わりますから、気に入った布地を見つけたら、その場で買ってしまいます。普通の反物の倍幅の布って、探すのがちょっと大変ですから。
布の長さは、天井から床までの高さの8割+α。布の幅プラス3センチくらいの長さの適当な木の丸棒を二本用意し、布の上下を輪に縫って、その棒を差し込みます。この輪にする部分が布の長さの+αですね。あとは上側の棒の両端に小さなヒートンを付けて壁に掛けられるようにすればできあがり。つまり布で掛け軸のような形を作るわけです。
これを壁の好きな場所に下げて、その下に木製の花台や
http://q.hatena.ne.jp/1255582326/236997/#i236997
ここに紹介されていたようなミニ畳などを置いてお花を飾れば、とってもシンプルな床の間的な空間が部屋の中に出現します。お花じゃなくて、小篭に盛ったフルーツやお野菜などを飾ってもかわいいですね。
布だけでもいい壁のアクセントになってすてきですが、さらに本当の床の間のように、布の部分に掛け軸とか色紙などを飾るとさらにすてきです。掛け軸風のカレンダーでもいいですね。布を掛けているところから紐を垂らして吊れば、自由な高さに飾れます。
以上は壁面が広く空いている場合。普通の反物の幅は鯨尺の九寸五分(約36センチ)が標準ですから、そういう布を使って長さも短い物を作ると、チェストの上などの空間をミニ床の間に変えられます。
壁にこんな床の間風空間を作って生け花を楽しんだり、その前のスペースをお茶室に見立ててお茶を点てたりすると、自己流でもとても楽しく心豊かな時間が過ごせます。この布を使った簡易床の間風空間は、特にシンプルな洋室に合うと思います。季節ごとに様々な布に掛け替えて、色々な部屋の表情を楽しんでください。