イエコト・ミシュラン

「風邪を吹き飛ばせ!腎に美味しいビタミン鍋」by id:momokuri3


漢方で腎というと、腎臓だけでなく、内分泌系などの体のバランスを司る経路全体を指すようです。ですから、漢方で腎を養うとされているものは、巡り巡って疲れも取ってくれますし、免疫力も高めてくれますし、もちろん摂取したビタミンをはじめとする栄養素の利用効率も高めてくれるはずです。そこでWeb情報なども漁りながら「風邪を吹き飛ばせ!腎に美味しいビタミン鍋」を作ってみました。もちろん体の中から温めてくれる食材を使って、冷えも一緒に吹き飛ばす鍋を目指します。


まず鍋スープですが、
・「ニンニク」7〜8粒
 腎を養い滋養強壮にも優れたお馴染みの食材ですね。
・「八角スターアニス)」ホール1粒
 これは体を中から温めてくれる物だそうです。これで一気に中華風味。
・「シナモンスティック」1本
 生薬としては体を温め、発汗を促し、健胃作用を持つとされているようです。
・「棗」ホール7〜8粒
 サムゲタンにも使われる素材で、欧米では19世紀にコフドロップの材料として導入されたという話もあります。果実の中の種子を乾燥させた物は葛根湯の処方にも使われるようです。
・「唐辛子」1本
 言わずと知れたカプサイシン効果。
・「山椒」ホール2〜3粒
 これも体を温めてくれる効果があるそうです。
・「昆布」10cm
 昆布も腎を養ってくれる物だそうですから、出汁用に使うだけでなく、あとで具材として食べてしまいましょう。
・「清酒」100ml
・「醤油」適量
・「塩」少々


土鍋に水を張り、昆布を沈めてしばらく置きます。
八角、シナモンスティック、棗、山椒などは、お茶パックなどに入れてすりこぎで粗く砕き、鍋に浸します。残りの材料も全部加え、清酒を注ぎ、鍋を火にかけて煮立ったら、醤油と塩で味を調えます。この鍋はタレを使わずスープと共に食べていく形式にしますので、そのつもりで味を調えてください。
スープが煮立ったら、昆布はキッチンハサミで切って具にしてしまいましょう。


続いて具材ですが、動物性素材で腎を養う物は、ヒツジ、カモ、ブタ、エビなどだそうですから、私なら迷わずヒツジにします。マトンは匂いがどうも、という人もいると思いますが、今回はスープがアジアンスパイス風味ですから、きっと気にならないと思います。エビも入れましょう。安いブラックタイガーですが。
ニラは腎を養う物だそうですから、積極的に入れましょう。ネギも体を温めてくれる野菜ですからたっぷり。
大根やニンジンなども積極的に入れたいですね。和ニンジンは冬が旬。普通の洋ニンジンも秋から初冬が旬ですから、これら季節の野根菜も体を温める食材です。他のツリーでも触れられていますが、ニンジンのカロチンは風邪撃退ビタミン(の元)です。もみじの形の抜き型で抜くと楽しいですね。
そのほか、ビタミンCの白菜、カロチンの春菊、リンパ細胞を活性化させるβ−グルカンの椎茸、抗酸化作用のビタミンEや風邪に負けない強い粘膜を作ってくれるビタミンB群の焼き豆腐など、どんどん入れていきましょう。日本の鍋の具材は世界に誇る栄養バランスだと思います。


最初はちょっと薬臭いなぁと思うかもしれませんが、慣れると漢方的スパイスは癖になります。マトンとベストマッチングで、体も温まりますから、これで寒風吹きすさぶモンゴル平原のオオカミにも負けない体が作れそうな気がします。
体を温め腎をやしなう、これすなわち生命エネルギーを育てるのこと。なお、お鍋に付き物のお酒は、過ぎると脱水して喉を痛めやすくなり、免疫力も下がりますので、ほどほどにとどめてください。