★★(二ツ星)

「火鉢を囲むという古くて新しい習慣」by id:momokuri3


このへんのいわしを見て、火鉢がある暮らしとはいいものだなと憧れていたのですが、
http://q.hatena.ne.jp/1199854432/135442/#i135442
骨董屋の店先で陶器の火鉢を見つけ、衝動的に買ってしまいました。火鉢にもピンからキリまであると思いますが、私が見た店では、骨董価値のある物はそれこそ何万円、木製の長火鉢などは30万の値が付いている物もありましたが、私が買った陶器製は税込みなんと3000円でした。
買う時にお店のご主人に注意されたのは、換気と、安物の炭を使わないことの二つ。特に安物の炭はパチパチ火の粉が飛んで危険なので、スーパーやホームセンターで安売りしている輸入の炭は屋外専用と考えて、室内で使う炭は国産の良い物を選んでくださいとのことでした。
火箸は鉄棒で自作。灰ならしも鉄板で自作。火消し壷はフタ付きステンレス缶の周りをコンクリートで断熱してこれも自作。火起こしはなぜか物置の中にあったのでそれを使用。汚れた灰を取り除くスコップ型の十能もステンレス板で自作しました。
問題は火鉢に必須の灰ですが、お店のご主人の話によると、古道具として売られている火鉢には古い灰が入っていることがあるが、出来ればそれは使わない方がいいだろうとのこと。理由はアスベストです。昔は焼き網にアスベストが使われていたことがあり、万が一そのかけらが灰に混入していたら健康被害が出ないとも限らない、とのことなのです。そうかと納得して、これだけは信頼出来る新しい木灰を買いました。自分で木材を燃焼させて作ればよさそうなものですが、こればかりは良い灰を取ろうと思うとかなり大変です。また杉などの適当な材木を燃やすと舞い上がりやすい軽い灰になってしまいますから、火鉢には適しません。
なお、市販品には珪藻土を焼いた物や火山灰など色々な代用品もありますが、加熱すると変な臭いが出る、炭を埋めると消えてしまうなどそれぞれに欠点があり、昔ながらのカシ、ナラ、クヌギなどの灰に勝る物はないそうです。
というわけで、昔の家ならどこにでもあったような物でも、今は一から揃えないといけない時代ですから、ちょっと導入までの敷居は高いと思いますが、いったん導入してしまえばこっちのものです。
火鉢を囲むというのはいいものです。火の癒し効果というのでしょうか。ただ家族で火鉢の周りに集まっているだけで、心がなごんできます。
また火鉢のすばらしさのひとつは、人と人との距離の近さです。コタツに比べて火鉢は小さいですから、火鉢を囲むと、自然に顔と顔が近くなるのです。これだけでも、とても家族の関係が親密になってきます。
ミカンを買ってきたので、その汁を使って、あぶり出しをやってみました。ちょっと火気注意な遊びですが、これだけでも十分面白いイエイベントになりました。
火鉢は炭を使うといっても、七輪のように下からどんどん空気を送り込んで強い火力を得る物ではありません。ほんわかと燃焼する、おだやかな火が特徴です。ですから、その火で焼き肉をしようなどという用途には向きませんが、ゆったりと火を囲んで団欒を楽しむには最適です。
本来は日常の道具であったはずの火鉢ですが、現代の暮らしでは、炭を熾すというのは、それだけで特別なイベントです。火災に対する備えと換気には十分な注意が必要ではありますが、イエを楽しみたい人には絶好のアイテムとして、冬の火鉢と、それを囲む体験をお勧めしてみたいと思います。


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★★ ミシュランコメント

〈イエはてな〉でもいつもたくさんの共感を集める「火鉢」を囲んでのイエイベント。この上なくあったかくて、プランのひろがりも満点ですよね! 準備の方法や注意点を細かくまとめて下さったおかげで、はじめてでも挑戦してみたくなります。そして、私が面白い!って思ったのは、美味しいものを焼いて食べたりお茶やお酒を楽しめる以外にも、みかん汁で「あぶり出し」など、火に触れながらの遊びも楽しめるというところ! 子供たちも火気注意を学びながら、楽しい時間が過ごせそうではありませんか? いろいろな楽しみの可能性をイメージさせてくれる火鉢イベントに、★★決定です!