「草木の冬支度」by id:Oregano


雪国ではそろそろ木に囲いをしたり、枝を吊ったりして、雪に備えているころでしょう。あまり雪が降らない地域でも、冬に向けた植物の世話が欠かせません。
たとえば球根の植物。夏から秋にかけて咲くユリやダリアなどは、花が終わった後が勝負です。終わった花は早々に切り落とし、追肥をして葉をどんどん茂らせます。寒さが訪れて葉が枯れるまでの短い間にどんどん光合成をさせて、球根を太らせるわけです。これが秋咲き球根植物の冬支度です。
続いて観葉植物について。観葉植物は多くが熱帯原産で寒さに弱いので、冬は防寒対策が欠かせません。たいてい鉢植えになっていると思いますので、冬は室内に入れるという対策になると思いますが、その前段階として、まず今のうちに、やはりたっぷりお日様の光を浴びさせてあげてください(日光を好む植物の場合)。そして夜になったら、もう今の時期から室内に入れて、室内環境に馴染ませます。本格的な冬が訪れたら、寒さを避けてずっと室内で管理します。
置き場所ですが、窓際は昼間は良く日が当たりますが、夜はかなり冷えますから、窓際に置きっぱなしはお勧め出来ません。
また暖房の近くやエアコンの風が当たる場所は乾燥しすぎるので、植物の置き場所には適しません。
こんなふうに、けっこう置き場には工夫を要しますから、植物の最適な居場所作りも、大切な冬支度の一つになってくると思います。
なお、休眠期に入った植物に対しては、水はほとんどやりませんし、肥料も控えます。ただし乾燥を防ぐため、時々霧吹きで葉を潤わせてあげてください。
サボテンなども気温が5度を下回ると弱ってしまうことが多いので、観葉植物よりは寒さに強いとはいえ、やはり冬場は室内に入れてあげた方がいいようです。
植物の直接のお世話とはちょっと違いますが、来年に向けての園芸資材作りということで、落ち葉を集めの腐葉土作りも植物好きの大切な冬支度です。腐葉土は堆肥に似ていますが、肥効ではなく土質改善の効果を狙って作ります。色々な作り方が考えられると思いますが、一番簡単なのは、庭に穴を掘って落ち葉を詰め込み、軽く水をかけて踏み込んた後、表面を庭土で覆っておく方法でしょう。
近くにコイン精米器があってご自由にお持ちくださいの米糠が豊富に手に入る、なんていう人は、落ち葉を10cmほど敷いたらそのうえに米糠と土を同量混ぜた物を全体が見えなくなるくらいまでバラ撒き、さらにその上に落ち葉を…と地層状に積み重ねていく方法をお勧めします。米糠が発酵を早めて、いい腐葉土が早く作れます。
いずれの場合も、表面には庭土を被せ、さらにブルーシートなどで覆いをしておきます。春先に一度掘り起こして上下を入れ換えるように満遍なく混ぜ、再び庭土を被せてシートで覆っておいてください。三ヶ月から半年ほどたつと全く土と見分けが付かなくなると思いますが、これが腐葉土です。あと半年、つまり作り始めてから 1年くらい熟成させてから使ってください。土に保水力や保肥力、水はけ、通気性などを与える良い園芸資材になります。
藁やキッチンの生ゴミなども混ぜて作ると、使う材料によって肥効は違いますが、肥料としての効果が期待出来る堆肥も作れます。
どちらにせよ、冬になる前に作業しておくと、発酵前段階で発生する虫などの問題がほとんど無くなりますから好都合ですね。植物好きにはこういう冬支度も楽しい季節の風物詩です。


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