「癒しの室内環境を整える畳に障子の組み合わせ」by id:TomCat


畳は、湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥してくるとそれを放出するという優れた調湿性があります。自然素材による自動除湿&加湿器というわけです。具体的な調湿性能は芯の素材や構造によって変わりますが、畳一枚でだいたい500mlの水分を吸収することができると言われています。


また、畳は芯にたっぷりと空気を含んでいますから、この空気が優れた断熱性・保温性を発揮してくれるんですよね。特にこれからの季節、部屋は下から冷えていきますから、畳の断熱・保温効果が活きる季節になってきます。


ところで、「風邪ひき指数・七五三の法則」というのがあるのをご存じですか? これは、
* 1日の平均気温が7度以下
* 前日比で5度以上気温が下がる
* 湿度30%以下に乾燥する


と風邪をひきやすくなるというもの。畳は優れた調湿効果や断熱・保温効果で、風邪をひきにくくする室内環境作りに役立ちます


さらに畳に障子を組み合わせると、障子も多孔質素材で同じような性質を持ちますから、自然のエア・コンディショニング効果で、とても快適な室内環境が整うんですよね。まさに畳と障子の組み合わせは、癒しの室内環境を整えてくれるものと言えるでしょう。


といっても、最近は畳も障子も無い家が増えていますよね。そこで、フローリングの洋室でもこの和室の良さが取り入れられる方法を考えてみました。


まず置き畳・ユニット畳、つまりフローリングの上に敷くだけで簡単に和風空間を演出できる畳マットの導入です。


置き畳・ユニット畳の多くは、芯を薄くして収納の容易さや軽量化を図っていますから、畳本来の調湿・断熱・保温性能については、それを意識して作られている製品と、そうでない製品に分かれます。購入に当たってはその点に注意が必要ですが、いい製品が手に入れば、フローリングの部屋が、見栄えも機能も共に、あっという間に畳の部屋に早変わりです。床全体に敷き詰めず、必要な部分だけに敷くようにすれば、洋室の雰囲気は壊れません。


続いて障子です。私はDIYで窓枠に桟を追加して障子をはめ込んでしまいましたが、部屋を改造せずに、また洋室の雰囲気を壊さずに障子の良さを取り入れるなら、障子風スクリーンが使えるのではないかと思います。様々なタイプがあるようですが、ロールスクリーンタイプは安価な物が多く、設置も簡単でお手頃ですね。


障子の持つ断熱効果はどこまで期待できるか分かりませんが、障子越しに差し込む柔らかな日差しは十分楽しめますし、また調湿性が考慮された製品なら、窓の結露を防いでくれるなどの効果も期待できそうです。


ロールスクリーンの場合、窓を開けていると風に吹かれて舞い上がってしまいますが、その点は窓を閉めて使う物と割り切ってください。


こんなふうにして、洋室でも追加アイテムの導入で和室の良さを取り入れていくことが出来ると思います。わが家では去年から、障子と畳と長火鉢というレトロな組み合わせの部屋で、たっぷり日本の冬が楽しめるようになりました。炭火はあったかいですよー。一酸化炭素中毒が恐いので窓はちょっと開けておきますが、障子があるので寒くありません。畳と障子は、冬が好きになる組み合わせでもあります。


»このいわしのツリーはコチラから