「長寿の果実、イチジク」by id:Fuel


先の秋果実のいわしでも話題になっていたイチジクは、寛永年間に長崎にもたらされたのが最初です。この時の呼び名は「蓬莱柿」(ほうらいし)。蓬莱とは不老長寿の仙人が住む場所ののことですから、イチジクはそこからもたらされた果物として、大変珍重されたことがわかります。
古代ギリシャでもイチジクは体力増強に役立つ食べ物として知られていました。古代ギリシャといえば古代オリンピック。その競技者の間で盛んに食べられていたと言われています。
イチジクには果糖・ブドウ糖蛋白質・ビタミン類・カリウム・カルシウム・ペクチンなどが豊富に含まれ、
・即戦力となるエネルギー
・持久力を作り出すエネルギー
・体の働きを整える栄養素
がバランスよく整っています。また豊富な食物繊維は自然なお通じもサポートしてくれます。
イチジクの旬はあまり長くなく、すぐに店頭から姿を消してしまいますが、このヘルシーのカタマリのような理想的な果物が長寿を願う菊の節句敬老の日のある9月に出回ってくれるのはうれしいことですね。
このすばらしい食べ物、イチジクは、イエで育てることもできます。多数の品種の苗が市販されていますが、耐寒性の点からは前述の初渡来種「蓬莱柿」そのままの名前で売られている品種が最も安心できます。実はいわゆる白イチジクで、甘味のあるおいしい種類です。収穫期は9月上旬、ちょうど今ごろです。
またドーフィンという種類もあります。寒さに弱いので関東南部から西の暖地でないと育てるのが難しそうですが、夏秋兼果で収穫期間が長く豊産性という特徴があります。
そのほか、
・グルメのイチジクとも言われることがある「ヌアール・K」「ロードス」「ビオレ・ソリエス」などの高級品種
・一口サイズで剥かなくても食べられる薄い皮が特徴の「セレスト」
・夏果は大玉、秋果は驚くほど糖度の高い実になる「バナーネ」
・果皮に黄色の縞模様が入って観賞用にも楽しい「スイートストライプ」
など多数の品種が売られていますが、イチジクの原産地はアラビア南部ですから、どの品種も寒さにはあまり強くないようです。
苗の植え付け時期は秋から来年の梅雨前くらいまで(イチジクは芽吹きが遅く6月を越えて芽吹くものもあるんです。そのため植え付け可能時期がだいぶ長くなっています)。これから適期を迎えますので、10月の声を聞くようになるとお近くのホームセンターや園芸店などに苗木が並ぶかもしれません。探してみてください。
イチジクは保水力があり、それでいて水はけが良く、なおかつ肥沃な土を好みますので、植え付ける前に腐葉土などをよくすき込んでおいてください。pHは弱アルカリ性が適します。施してすぐ植え付け可能な有機石灰(貝殻などで作られたもの)も適量施しておくといいと思います。植え付けは浅めに行います。
なお、地域の気候に合った品種を手に入れるなら、ご近所でたくさん実を付けている木を探して、そこから枝をもらってきて挿し木にする方法もお勧めです。ご近所で実績のある木なら、その地に適していることは実証済みですね。挿し木の季節は春ですから、今のうちにいい木を探しておきましょう。挿し木の実際については、次のページなどを参考にしてください。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/1913/engei/itijiku-sasiki....
http://koia.web.fc2.com/ichijiku/ichijiku.html
私もイチジク好きが高じて、ついに挿し木を始めました。元気に葉っぱが育っているので、うまく根が出ていると思います。どこに植えるかが問題ですが、何年目くらいから実を付けてくれるのか楽しみです。皆さんも長寿と健康の果実・イチジクで、イエにすてきな幸運を呼び込んでくださいね。なお、昔はイチジクは庭に植えるものではないという言い伝えもあったようですが、現代では全く気にする必要はないと、次の書き込みが教えてくれました。
http://q.hatena.ne.jp/1221022108/184289/#i184341


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