イエコト・ミシュラン

「これぞ夏の楽しみ、干し野菜作り」by id:Oregano


今までの皆さんの書き込みと重複する部分も多々ありますが、日差しの強い夏は干し野菜など乾物作りに最適ではないかと思います。
同じ水分が抜けた野菜でも、冷蔵庫の中などでしなびた野菜と、天日に干した野菜とでは全く違います。しなびた野菜は、生き伸びるために、持っていた養分を使い果たしてしまった姿。だから味もカスになってしまっています。これに対して日に干した野菜は、おいしい盛りで水分を抜くのですから、旨味がギュッと濃縮された絶品になります。甘味も歯ごたえも増していきます。そのようなわけで、余ってしまった野菜などは、しなびさせる前にどんどん干してみましょう。日持ちするだけでなく、素材としての価値が上昇します。
干すのに適した気候は、もちろん「カラッと晴れた日」です。時間帯としては、日が高く昇り始めて暑くなってくる頃から、最長15時くらいまで。それ以降は日が傾きはじめてくるので、外に出しておくよりは、取り込んで風通しの良い場所に置いておく方が効果的です。日差しの強さより湿度が大きく影響します。では素材別干し方例をあげていきましょう。


◆キュウリ
切り方によって歯ごたえが変わってきますので、色々な切り方を試してみてください。私は縦半分に割って、水分が多い中心部分(種の部分)はスプーンですくい取ってから干しています。すくい取った分は食べてください。もったいないですからw
そのあとペーパータオルで水分を取り、日なたに干します。炎天下なら数時間でコリッと半生。その状態で食べてみると、これは酒の肴になる!
もちろんもっと干して料理に使ってもいいですね。薄く切って酢の物に、大振りの形で炒め物に、色々な料理に応用できます。


◆トマト
干しトマトは様々な料理に使われるので、利用価値が高いと思います。ただしなかなか乾燥しませんので、数日は快晴が続くような時を選びます。今年は難しいかな…。
トマトは普通の物なら縦八つ切りくらい。私は皮は剥きません。さらに私は水分の多い種もこぼさずそのままにします。この方が、出来上がった時に、風味豊かな干しトマトになるからです。でも天候不順な時はこれだと乾きませんので、その場合は泣く泣く種は取り除きます。もちろん取り除いた種は食べます。トマトの種の所っておいしいですよね。
ミニトマトは比較的早く乾燥します。扱いやすいので、ミニトマトでもぜひどうぞ。これも種をこぼさないよう、天候に恵まれる限り、縦半割にして干してください。
なお、作り始めたはいいけれど、天候が良くなくてだめだこりゃ、となった場合は、遅滞なく取り込んでトマトソースなどにしてしまった方がいいと思います。軽く干しただけでもそれなりに旨味が凝縮されて、おいしく作れると思います。


◆固い系野菜
たとえばカボチャ。ニンジン、レンコン、ゴボウなどもいいですね。こういうしっかりとした固さを持った素材は、とても干し野菜向きです。こうした野菜は表面の皮をむいて使うことが多いと思いますが、私は干し野菜の場合は一切皮むきをしません。だって、皮まで含めて野菜ですから。
切り方は適宜。後での使い道と、天候の状態を勘案して決めてください。もちろん薄く切った方が干し上がりは早くなりますね。炎天下なら、薄目に切った物なら数時間で、生と同じように使えて、それでいて旨味が凝縮している、とてもうれしい状態になります。
ゴボウの場合は切り口が空気に触れると黒く変色しますが、これは劣化したわけではありませんから、食べるにあたっての問題はありません。また干すことによってアクが抜けるので、干す前にアク抜きをする必要もないと思いますが、気になる人は水にさらしてアク抜きしてから、水分を拭いて干してください。
こうして干した物は、揚げ物にするとうまいです。それも衣を付けず、素揚げです。干すことで風味が増しているので、そのままで十分おいしいんです。水分が抜けているので、揚がりが早く、染み込む油の量も少なくなってヘルシーです。揚げ時間はあっという間。軽く油を通すといった揚げ方で十分です。
ついでに揚げ物にするなら、キノコ類もちょっと干しておくと驚きの旨さになります。椎茸でも舞茸でもシメジでも、何でも天日に干してから揚げます。バーベキューに使うキノコも、干してから焼くとうまいですよ。


◆カボチャの種
カボチャを干したら、種も干しましょう。水洗いして干すだけです。カラッと干し上がったらフライパンで乾煎りして、殻を割って中身を食べます。
干す時には、こちらで紹介されているような網が使いやすいです。ハンギングドライネットなどの名称で市販されています。
http://q.hatena.ne.jp/1195447672/126937/#i126937


太陽光を積極的に受けて干していくためには、こんな工夫も紹介されていました。
http://q.hatena.ne.jp/1243226993/219001/#i219001
ほかにもイエはてなの中には、干し野菜、干物、乾物、手作りスパイス、ドライフルーツなどの作り方や応用が一杯です。ゴーヤ茶や大葉茶、ヨモギ茶やドクダミ茶、アシタバ茶といった手作り健康茶も干し野菜の一種ですね。今年は天候が優れず、なかなか干し野菜日和がやってきてくれませんが、夏こそ旨味のギュッと詰まった干し野菜で食欲モリモリといきたいですね。