「お袋の味再現イベントで食への理解を深めていく食育」by id:YuzuPON


最近、食がブラックボックスになっていると思いませんか?外食はもちろん、家庭の食卓にも調理済みの食品が大量に入り込み、それらがどういう過程で調理されてきたかを意識することなく食べている私たち。
ネットで「あの外食の味を再現する」などのレシピが出るとワッと話題になるのは、やはり作り方を理解してみたいという欲求があるからだと思うんです。そういう欲求を、外食の味の再現ではなく、家庭の味の継承に生かしていけたらどんなにすばらしいでしょう。
そこで私の家では、ちょっと面白いイベントをやってみることにしました。母が作る料理の味を、父と息子が真似して再現してみるというイベントです。もちろん作り方の伝授はありません。だいたいこう作るだろうという程度の情報と、自分の舌を頼りに、どこまで出来映えが近付くかの実験です。
第一回目のテーマは家庭の味の定番、肉じゃがでした。うちの肉じゃがはとてもオーソドックスですから、味付けの基本は一般的なレシピそのままだと思いますが、芋の煮え加減や味の染み加減などで、意外なほどに味が変わるんですね。これには、どの段階で味を付けていくか、どの段階で火を止めるかといった手順とも関係してきます。結局、わが家の味を追求していった結果は、小学生の家庭科並みの煮崩れ加減となってしまいました。味は、かなり近いんですよ。しかし母の作る肉じゃがは、しっかりと味が染みているのに、そんなにひどくは崩れていないんです。この違いは何だ!後日また父とタッグを組んで秘密を解明していく予定です。
こんな感じで、家の味、お袋の味の再現を楽しんでいけたら、子供に対してはもちろん、大人である我々にとっても、素晴らしい食育になると思うんです。
食育とは、食育基本法によれば、国民の健康で文化的な暮らしに寄与していくもの、ということになっています。子供だけじゃないんです。「国民」みんなが食育の対象なんです。大人である私たちも食への理解を深め、そして文化として「イエの味」を継承していこうではありませんか。お袋の味再現イベント、楽しいです。


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