「夏の涼空間にボサ・ノヴァはいかが」by id:momokuri3


暑い時期には熱い音楽。ブラジルのボサ・ノヴァなどお勧めです。ボサ・ノヴァというとブラジルの伝統音楽のように思われるかもしれませんが、その誕生は意外に新しく1950年代。リオの若手ミュージシャンたちによって始められた、ポピュラーミュージックの一種なんですね。ですからとても気軽に聴くことが出来ます。
ボサ・ノヴァでまず押さえておきたいのは、なんといってもセルジオ・メンデスでしょう。元はリオの音楽学校でクラシック・ピアノを学ぶ学生でしたが、北米のジャズシーンなどに影響を受けてボサ・ノヴァに転身したというミュージシャンです。
62 年に「ヴォサ・リオ・セクステット」というユニットを結成。65年からアメリカを中心に活動し、世界にボサ・ノヴァを広める牽引車となりました。そして迎えたボサ・ノヴァ大ブーム。66年には「セルジオ・メンデス & ブラジル'66」として活動を開始。一世を風靡する大活躍となりました。この頃の著名な曲に「マシュ・ケ・ナダ」などがあります。

Herb Alpert Presents

Herb Alpert Presents

続いてこちらはアメリカのポップスシーンをターゲットに結成された、ボサ・ノヴァというよりボサ・ノヴァ風ポップユニットという感じだった「ボサ・リオ」のアルバム。表題曲「サン・ホセヘの道」は日本でもかなりヒットした作品だそうです。他の曲も総じて明るく爽やかな作りで、女性と男性のボーカルのバランスも良く、BGM的に流しておくのもいい感じのアルバムです。

サン・ホセへの道

サン・ホセへの道

さて、ボサ・ノヴァに適したオーディオ設備ですが、ボサ・ノヴァは他のラテン系音楽と同様、様々なラテン系パーカッションが特徴です。これをドンドンシャリシャリ鳴らすタイプのスピーカーで聴くと、せっかくのパーカッションがちょっと耳障り。ですから私としては、あえておとなしめのクラシックに適したようなスピーカーで鳴らすといいかなぁと思っています。あるいはイージーリスニング的に、あまり大音量ではなく流すというのもいいですね。これならシステムを選びませんし、ご近所にも気兼ねなく、素敵な「涼・音楽空間」が作れると思います。


最後に、ちょっとおまけで、ブラジル風焼き肉、シュハスコをご紹介しておきます。シュハスコで検索すると多数のレシピが見つかりますが、私が教えてもらったのはとてもシンプルな塩焼きです。ブラジルと言っても広いですから、地域によって調理法も様々。これはブラジルの南部風ということのようです。
材料は、牛肉は大きめのブロック。そして岩塩です。肉は現地ではクッピンという背中のこぶのあたりの肉が人気のようですが、ヒレでもモモでもいいようです。
岩塩はバットに多めに敷き詰めておきます。粒が大きい場合は布巾などで包んですりこぎなどで砕いてください。なお、塩は本場の風味を求めるならここはピュアな岩塩に限ると思いますが、SAL GROSSO(サウグロッソ)という名前で売られている結晶塩でもいいと思います。日本で手に入るのは多くはメキシコ産のようですが、教えてくれた人は、それでいいと言っていました。
牛肉に串を刺し、バットに置いて、軽く上からも塩をまぶします。味付けはこれだけ。極めてシンプルです。あとは焼くだけ。もちろん炭火がいいですね。最初は少し遠火で、焼き上がり近くになったら火を近くして、表面をカリッと焼き上げます。焼いている最中に火に落ちた脂で立ち上る煙は、余さず肉に絡める気持ちになってください。これが旨さの素になります。焼き加減は、ブラジル流はじっくり焼いたウェルダンが基本のようです。焼けたら表面のゴツゴツした塩をナイフで払い、一口大にスライスしながら食べてください。この、スライスしながら食べていく野趣がブラジルのカウボーイ風です。
それもそのはず、このスタイルはブラジル南部のカウボーイたちの野営料理が元になっています。自前の肉に有り合わせの棒で串を打ち、牛の飼料に使う岩塩をまぶして焚き火で焼いたものが「郷土料理」になっていったわけですね。
こんなブラジル風バーベキューにボサ・ノヴァはいかがでしょうか。ブラジルにはたくさんの日本からの移民が渡っています。現在約150万人、ブラジルの総人口の約0.8%が日系人と言われています。世界最大の日系人の国がブラジルなんです。今年は移民101年目。日本・ブラジル新世紀の幕開けといってもいい年に当たります。そんな日本ととてもゆかりの深い国を思いながら過ごす夏もいいものではないでしょうか。


»このいわしのツリーはコチラから