「お祭りを最も楽しむ方法、それはスタッフになって参加すること」
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お祭りはスタッフになって参加すると、何倍も何十倍も楽しめます。いえ、普通では絶対に体験できない喜びが味わえます。燃えるような熱い夏が体験できます。
さて、夏祭りに欠かせないのが、高校生あたりの元気のいいアマチュアバンドではないでしょうか。昔から多くのお祭りにステージが設けられ、地元の少年少女達が演奏しています。夏祭りというと重要な地域興しの行事のことが多いと思いますが、彼らもその大切なメンバーなのです。
わがマチの夏祭りにも、毎年ささやかですが、そう言ったアマチュアバンドのためのステージが設けられます。元バンド少年の私は、今は音響関係を仕切らせてもらっています。
野外の小さなステージの音響レイアウトは大変です。多くのお客さんにバランスの取れた音で聞いてもらうには、きちんとしたPA(放送設備の意で、ライブでは各楽器やボーカルなどの音を完成されたバランスで出力する音響設備を指す)を配置しなければなりませんが、小さな野外ステージでは、どんなにきちんとPA を用意しても、お客さん達は直接ギターアンプなどの音を聞いてしまいます。
ライブハウスならPAを通さないアンプの音が場内に響いても、さほど影響はありません。音が壁で反響し、近くの人にも遠くの人にも、ほぼ同じ音量で聞こえるからです。
しかしお祭りの野外ステージでは、ギターアンプに近い人はギターの音ばかり、ベースアンプに近い人はベースの音ばかりということになりかねません。こういうバランスの悪さが、いかにもアマチュアっぽい音、稚拙な演奏に聞こえてしまう原因の一つなんですね。本当は上手なのに、すごく損をしてしまうんです。乏しい機材の中でそれをどう解決していくかが腕の見せ所なのです。
また、お祭りのアマチュアライブを見ていると、時々可哀想なほどボーカルが音痴になっていることがありますが、あれはほとんどの場合、モニターが悪いせいに違いありません。歌っている人に向けられたスピーカーがうまく機能していないので、自分の声がきちんと聞こえていないのです。それでは上手く歌えるはずがありませんね。いかに最高のボーカルで気持ちよく歌ってもらえるかということも、音響係の大切な役割です。
本来のライブのPAは、主にミキサーという音のバランスを整える機材の操作で勝負します。しかしお祭りの音響係は、まずスピーカーの配置から勝負が始まります。恐ろしく原始的な部分で、ライブの成功不成功が決まってしまうのです。
でも、そういう苦労を乗り越えてバンドのみんなが気持ちよく演奏してくれて、そして親や教師が見れば卒倒しそうな金髪ピアスの少年少女達が、健康的な祭の空気の中で笑顔を爆発させている様子を見ると、今年もやってよかったなぁと思うのです。
きっと今年も日本中のお祭りに、各地のロック少年ロック少女達が登場するでしょう。見かけはガラが悪いかもしれませんが、地元の行事に出てきてくれるバンドはみな、事前の打ち合わせなどにも熱心に参加してくれる人達です。本当に悪い奴らなら、そんな所には出てきません。どうか彼らを暖かい目で応援してやってください。そして裏方をやっている我々「元ロック少年」にも盛大な応援と差し入れをお願いします(笑
なお、お祭りで何かをやってみたいと思ったら、地元の自治会や商店会などの役員に気軽に声をかけてみてください。どこも手が足りなくて困っていると思いますので、おそらく大歓迎してもらえると思います。


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