「お中元の虚礼を〈実礼〉に変える」by id:C2H5OH


虚礼廃止ということが言われて久しくなります。本来のお中元はちゃんとした心のこもった贈り物であり、虚礼などではなかったと思うのですが、挨拶や感謝の言葉を交わすこともなく物だけが届く現代のお中元は、虚礼と言われても仕方がありませんね。
メッセージカードを添えることが出来るギフトもありますが、ゆうパックや宅配便などに添えられる内容は、決まり文句の時候の挨拶や商品説明くらい。差出人の意思を含む内容は信書に該当し、荷物に添えることは出来ません。
そこで私は、お一人お一人に、別便で手紙をしたためることにしています。これは大変に手間がかかります。でもそれだけの価値があると思うのです。
特に文章を考えるのが大変ですから、もう新年度が始まったあたりから、どなたにはどんな手紙を書こうかと構想を練り始めます。PCの中で何度も下書きを繰り返しますが、こうして頻繁に相手のことを思い浮かべることで、虚礼ではない本当の感謝の気持ちが湧いてくるなぁと実感しています。
禮(礼の旧字)とは、祭祀に使う机をかたどった「示」に、形よく供え物をが並べられた様子を表す「豊」が合体した文字です。神様への真心を込めた供え物、それが「礼」の字の本義です。真心がこもっていなければ物だけで、礼にはなりません。宅配プラス別便の直筆の手紙。これで物プラス真心を届けることが出来、虚ではない本当の礼を贈ることが可能になるのだと思います。


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