★★★(三ツ星)

「農と芸術の里・住民がいなくなった過疎地に入植して新しい村づくり」
by id:TomCat


場所は、住む人がいなくなってしまった過疎の集落を想定してください。そこに、農業と芸術三昧で暮らせる村を作るんです。


住民は全国から募集します。家屋は土地付きリフォーム無しの現状渡しで百万円くらいから。農地も地主さんからかなり格安で借りられます。という斡旋をする法人をまずは立ち上げ。家は数年放置されていた物になるでしょうから、本気で手を入れていかないと落ち着いては住めないと思いますが、そこがDIY精神の発揮のしどころで楽しいですよね。ちなみに耐震補強などに関しては、前述の法人が行政と掛け合って、最大限の補助を引き出します。


さて、新しい村は「ゲストエリア」と「プライベートエリア」に分けて作っていきます。こんな所に好んで引っ越してくる人たちはたいてい都会生活に疲れた人でしょうから、やって来たその年から農業で食っていけるなんていうことは有り得ません。そこでまず、住民の食い扶持確保のための観光施設群、すなわち「ゲストエリア」を整備していくわけです。


基本コンセプトはグリーンツーリズム(農業体験を楽しむ旅)。宿泊施設は古民家を転用したペンション。そこに季節の果樹が楽しめる果樹園や体験農場などを付属させ、自ら収穫した作物で料理が楽しめるレストランも用意します。ほかにも、自分で小麦を粉に挽いてパンを焼いてみるコース、自力で開墾した土地を丸ごと使って1年間畑が楽しめる開拓コースなど、体験メニューは色々です。一ヶ月、半年といった長期滞在も受け付けますし、教職者と村が協力し合いながら実施していく学校行事コースなども可能です。


そのほか、住民各自が得意分野を活かして様々な自主企画を立ち上げていくベンチャー的事業展開も可能。紙漉、織物、陶芸、木彫等々の物作りで新しい名物を創造してもいいですし、自然の野山をそのまま舞台にした演劇公演活動などもいいでしょう。ここには「業界」や「マスコミ」はありません。全てがセルフプロデュース。ブームも成功も自分が作るという芸術活動が行えます。そしてそれが収入に結びつく。これぞ地に足の付いた芸術活動と言えるでしょう。


こうした村の「表の顔」とはしっかり分けて、「プライベートエリア」、すなわち個人の暮らしのエリアを整備します。


交通に関しては、行政と掛け合って、市内循環バスをこの村にも通させます。平成の大合併は過疎の地域に大きな打撃を与えましたが、反面、今までは循環バスなど考えられなかった小さな町村が、都市交通の発達している大きな市と一体になるという新たなシーンも生み出しました。それを最大限に活用して、市内に交通格差を作るな、中心市街地に通っている交通網はあまねく周辺過疎地にまで伸ばすべきであると大運動を行うのです。このくらいのことをしなければ、平成の大合併のメリットがありません。現実には循環バスの延長は難しいかもしれませんが、それに代わるものとして、行政と契約したタクシー会社に電話をするとワンボックスでやって来てくれて、市内循環バスと同一の料金体系で運んでくれるという、いわばオンデマンドバスというような仕組みは実現させます。このバスは子供の通学にも活用されていきます。


医療に関しては、都会と同様、通報5分で到着する救急車が欠かせません。救急車は行政の消防署の他、消防団や自衛消防隊などでの運用が許可されている前例が少なくありませんから、村で自衛消防隊を作り、そこで救急車を運用することにします。ペットに関しても、ほぼそれに準じた救急体制を整備します。


消防に関しては、いちいち消防車が来るまで待っていられないような場所でしょうから、村中の道路の下に太い水道管を張り巡らせて、そこかしこに消火栓を配置します。水道は一系統だと万が一の断水の時に心配ですから、最低二系統は通します。


村の真ん中には大きな広場。ここは「ゲストエリア」と「プライベートエリア」の中間地点にあって、盆踊り、お祭り、ライブ等々、様々なイベントが行えます。広場は古い小学校の校庭を模したもので、春は信じられないくらいの数の桜が咲き誇ります。古い木造校舎を模した建物は地域の公民館の役割を担います。


情報に関してですが、携帯やネット環境は、交通と同じく、同一の市である以上、中心市街地にあるサービスは周辺過疎地にも当然提供されるべきだと掛け合って、中心市街地並みの整備を目指します。テレビは、もし難視聴地域だとしたら、放送法の定めに従って、日本放送協会が責任を持って難視聴の解消に尽力してくれるでしょう。そのための公共放送です。と言ってねじ込んででも情報格差は作らせません。


こういう様々な前例の積み重ねが、他の様々な過疎地域の生活基盤整備の前例となっていくのです。一つの村だけにとどまらない、日本全体の過疎地の明日に関わっていくことですから、行政や公的組織の責任で整備すべきことはどんどん要求し、実現させていくことも、この村作りの大切な方針とします。街作り村作りとは、そういう政治的活動も含むのです。


あーとーはー・・・・。なんにもない。ただ自然が広がるだけの村。あるがままの村の中で、ゆったりのんびり、晴れては畑を耕し、降っては小説や絵を描き、あるいは歌を作り、と自由にやっていきましょう。基本的に、生活の糧が得られる環境と、最低限のライフラインは都会並みに整備。それ以外はなんにもない山の中の自然暮らし。そういう村作りです。


なお、周辺集落との交流などは、住民の皆さんにお願いして、積極的に参加して頂きます。住む人がいなくなった村とはいえ、そこに暮らしてきた人達が、周辺地域にはたくさんいるでしょう。そういう人達に、ふるさとは無くなっていないんだ、新しい住民に代替わりしたけど、ちゃんと村の文化を引き継いでくれているんだと安心してもらえる村作りが大切なんです。間違っても、よそ者にふるさとを取られた、なんて思われてはいけません。


また、地域には神社もあるでしょう。お地蔵様や道祖神などもあるかもしれません。そういう伝統の遺産も大切にしながら、元の住民の皆さんの後を引き継いでいける暮らし方も大切です。そういうことをよく理解し、納得してやって来てくれることが、この村の不動産を手に入れる条件です。建築条件付き売り地なんていうのがありますが、この村の不動産は、いわば文化継承条件付き売り家なんだ、って思ってください。


以上、あまりに夢が広がりすぎて何から書いていいか分からず、とりとめのない話になってしまいましたが、とにかくこれが、本気で考えている私の村づくりビジョンです。私はそこで夢の農園を開き、そして「ゲストエリア」でスープ屋さんをやりたいと思っています。森の酵母でパンも焼きましょう。皆さん遊びに、あるいは住まいに来てくださいね。いつか、きっと!!


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★★★ ミシュランコメント

これまでにもずっと聞かせて下さってきたファームの夢、こんなに実現レベルまで具体化しているんですね!! 思ったんです。この場所は、今回みなさんから頂いたさまざまなメッセージをみんな抱いてるって。四季と自然にあふれている、人も子供たちも動物も自由に安心して過ごせる、お散歩やサイクリングは日課に、人は日常的に結ばれている、道具やモノを創り出すよろこびや、農作の豊かさを体験出来る。それに、音楽や芸術がファームにあふれ、活気に満ちている! ここで生きていく人も、時々訪れては穏やかな時間を過ごしていく人たちも、人間ならではのあらゆる営みを謳歌出来るに違いありません。地上の楽園、本当にあるユートピア…そんな素晴らしいファーム計画に輝く★★★を! そう遠くはない実現を祈って!!