リブ・ラブ・サプリ〜SEASON

「旬の味覚の二重奏 鱈の酒蒸し・白子ソース添え」by id:Fuel


雪の魚と書くくらいですから、冬が旬の魚と言ったら鱈ですね。鱈は一年を通して漁獲がありますが、特においしいのは厳冬期です。
良い鱈は、切り身の場合、身に透明感があります。良い鱈が手に入ったら、酒蒸しと洒落込んでみましょう。
まず鱈の切り身は沸騰していないお湯(80度くらい)で湯通しして冷水に取り、皮にウロコなどが付いていれば取り除いて水気を取ります。
私は蒸すのはフライパンでやってしまいます。ネギの白い所を1本分斜め薄切りにしてフライパンに敷き、鱈の切り身を乗せて、マイタケやエノキなどのキノコをあしらい、酒大さじ2くらいを振りかけて、蓋をして蒸し煮にします。昆布に乗せて蒸すやり方が一般的だと思いますが、私はたいてい省略してしまいます。
フライパンを使うと、蒸し器の蒸気で味が薄まらない利点があります。電子レンジを使う方法もありますが、持続するあったか感は火で調理するに限ります。
ただの酒蒸しならこのあと盛りつければ完成ですが、今回はもう一つの旬の味覚、白子ソースを準備します。鱈の白子はオスの精巣で、産卵期のみに大きくなります。だいたい10月の中ごろから産卵期に入りますが、走りの時期はまだ未熟なことが多いので、上質なものが出回るのは今!なのです!!2月を過ぎるとアラスカなどからの輸入ものが増えますが、白子は原則冷凍がきかないので、日本の港に水揚げされる物の方が圧倒的に新鮮で上質です。選ぶ時は、白く滑らかで形がしっかりしている物を選びましょう。なお、白子は真鱈の物が圧倒的においしいです。スケソウダラの物などは安いですが、味は落ちます。
白子は適当に切り分けて軽く茹で、その後冷水に取ります。筋などはここで除去しておきます。水気を取り、まな板に乗せて包丁で細かくたたきます。白子の重量の倍程度の出汁と(酒蒸し本体に昆布を使わない分、こちらは鰹節と共に昆布をふんだんに使った出汁とします)、薄口醤油・味醂適宜を鍋にかけて白子を入れ、水溶き片栗粉でトロ味を与えてソースとし、アツアツの所を器に盛りつけた酒蒸しにかけるんです。これは豪華ですよ。
最後に、和食は何かをてっぺんに乗せて薬味にするとともに、まだ誰も手を付けていませんというしるしにしますから、残っているネギの青い所を少し取って極細に切り、柚子皮も細切りにしてきれいに並べて乗せると、見た目も香りもすばらしくなります。
簡単に作れますので、料理の苦手な方にもお勧めします。これ、お酒も進みますよ(ひっそり声でw)。