「発育不全だったけど元気で長生きだったセキセイのサッちゃん」by id:SweetJelly


セキセイインコに雛が生まれました。みんな順調に育っていくかに見えていましたが、一羽だけ体がなかなか大きくならない子がいました。ほかの子に負けてしまって餌がもらえないのかと、人の手で餌を与えたりもして世話をしていきましたが、ほかの雛が大人と同じ羽根になっても、まだ雛の産毛のままのような状態でした。獣医さんに相談すると、何か先天的な異常を持っているのかもしれないと言われました。
でも、手間をかけて大切に大切に育ててきたので、とてもよくなついてくれました。
不思議なことに、育っていくうちに、顔にだけは大人の羽根が生えそろっていきました。首から上を見れば、立派な大人のセキセイです。でも体は相変わらず産毛のままで、大きさも羽根がない分、ずいぶん小さく見えました。そんな普通でない子でも、仕草は普通のセキセイと変わりません。くちばしと足を上手に使って鳥カゴの柵をくねくね伝って遊びますし、片足を伸ばして羽根を持ち上げて伸びもします。そういうのが、たまらなく可愛いんです。いつもカゴから出して、肩に乗せてあげていました。
小さいので、名前はサッちゃん。本当はサチコといいますが、ちっちゃいのでサッちゃんと呼びます(笑)。誰にも負けないくらい幸せになってほしいと名付けました。サッちゃんは体は発育不全でも、健康にはとても恵まれました。目立った病気もせず、一緒に生まれた兄弟姉妹と変わらない長寿でした。お世話になっていた獣医さんからは、普通はこういう子は短命なことが多いんだよ、この子は奇跡の子だったねとお言葉をいただきました。
私はサッちゃんと過ごした毎日の中で、色々なことを教えられました。サッちゃんは本当にかけがえのない存在でした。サッちゃんが見せてくれた命の輝きを、私は一生忘れません。


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