可愛い家族、ペットや動物がくれたものがたり

#016 お題
可愛い家族、ペットや動物がくれたものがたり」を教えて下さい


“ルポ・タイトル”
「ミューとイプ、お隣りさんから帰ってくるの巻」by ハザマ


ルポルタージュ
うちのチビ・ギャング二匹組の忘れがたい話をひとつ。前に書いた「天井から猫が降ってくるの巻」の続編です。


まだ京都の集合住宅に住んでいた頃、やっぱり押入れの天井板を開けて、二匹は天井裏で遊んでいました。私の考えも甘く、板にガムテープを貼りめぐらしても端からガリガリかじって、身ひとつ分の穴くらいすぐ開けて入っちゃうので、容認していました。


ところがある日、いつまで経っても帰ってこないのです。音もしないし、夜になっても降りてこない…。と、その時ちょうど壁の改修工事が隣りの部屋からはじまっていることに思いあたりました。庭から見てみると、うちの一部も高い所がほんの少し取り壊されて穴が開いていました。あ、ここから外に出て行っちゃったんだ…。外界を知らない世間知らずの二匹が、外で迷って帰って来れない姿を想像すると涙があふれて、近所をあちこち探し回りました。でもその晩は見つからず。翌日も一日帰ってこなくて、事故に遭ったかも…二日経ってもう帰ってこないかも…と、泣いて夜を迎えました。


そこへ、ピンポーン。お隣りさんのカップルでした。何だか神妙な顔で、「あの…天井にヘビがいるみたいなんですけど、お宅でも音がしませんか? 多分すごく大きいヘビですよ」…。「エ…?」。私がにわかに笑顔になったのは言うまでもありません。あいつらめ!!! 工事で開いた天井裏の通路から、お隣りの天井に入り込んでいたのです。


事情を説明して、急遽、夜中の救出作戦。お隣りの部屋に入らせてもらって、天井開けて呼んだり、懐中電灯で照らしたり。すると、「いましたよ!!」。お兄さんが庭から照らしてくれた壁の穴から、二匹が顔を揃えて「ニャー」。帰ってこれなくなっていたようで、ふたりとも泣き顔でした。お兄さんが壁に組まれた足場を登ってくれて、無事に二匹を救出。


二匹を抱きしめる私に、「よかったねぇ」。そう言ってくれるお隣りさんでよかった! 二晩も大ヘビの音(?!)に怯えたにもかかわらず…(笑)。二匹を抱いて、隣りの玄関から出て来る時のうれしいやら情けないやら、もぅ、一生忘れられない一夜でした。


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※今回の「いわし」ご投稿は7月10日(木)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は7月11日(金)に「イエはてな」にて発表いたします。