「やたら雄弁で、でもどこかが抜けている楽しい叔父さん」by id:TomCat


とにかく理想を雄弁に語るのが好きな叔父さんがいます。私もそういうのは結構好きな方なので、時々お招きを受けては、夜を徹して語り合ったりします。しかしこの叔父さん、どこか抜けた所があって、そこがまた面白いんです。たとえば冬にお招きをいただいた時はこんな感じでした。


叔父「・・・・で、だな、俺はこの『何々らしく』という決めつけがいかんと思うんだな」
私 「ふむふむ」
叔父「たとえば男は男らしく、女は女らしく、子供は子供らしくという、こういう限定された人間像しか求めようとしない社会では、進歩というものがないわけだ」
私 「あ、それは分かりますね」
叔父「だろ、よし、それじゃ今夜は絶対に『らしく』という言葉は使わないようにしようじゃないか、今この場から『らしく』を追放だ」
私 「わかりました、それでは今夜『らしく』と言ったら一回百円の罰金ってことで」
叔父「よし、それでいこう、で、続きだ、この国をより素晴らしくしていくためにはだな・・・・あ、あれ?あれれ?」
私 「・・・・」
叔父「この国をより・・・・すば・・・・すば・・・・ら・・・・し・・・・く・・・・あ゛ー!!」
  ・・・・・・叔父さん自爆・・・・・・


叔父「うは、うはははは、ま、ハンペン食え、大根もよく煮えてるぞ」
私 「あは、あはは、冬はおでんに限りますよね」
叔父「だろ、このゆで卵も味が染みてうまいこと、うまいこと。あ、すまん、そこの芥子くれる?」
私 「はいはい・・・・と・・・・あ・・・・」
叔父「え?え?」
私 「カ・・・・ラシく・・・・」
叔父「ぐ、ぐあぁぁぁっ」
  ・・・・・・叔父さん撃沈・・・・・・


と、こんな感じですw


でも、「理想とは理に叶った想いであり、それは実現可能な目標である。実現不能な空論は理想とは呼ばない、空想と呼ぶのだ」と強弁してはばからない若々しい叔父が、私は大好きです。


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