「海を越えて飛躍する〈定年海外協力隊〉のおじさん」by id:Fuel


このおじさんは親の従兄に当たる人ですが、住んでいる所がわりあい近かったことと、どこか普通の人と違う中年にしては若々しいタイプの人だったことがあって、私は中学生のころから、このおじさんの家にたびたび遊びに行っていました。
おじさんには子供がいなかったので、私が遊びに行くと、とても喜んで迎えてくれました。泊まりに行くと、決まって一晩話し明かします。伯父さんの話は過去の話も未来の夢も本当に面白く、全く世代がかけ離れている私の心をぐいぐい引き付けてくれました。
そんなおじさんが、定年直前に奥様を亡くされました。強い愛情で結ばれていた夫婦だったので、その時のおじさんは、周囲の者が見ていても、いたたまれなくなるくらいでした。
でもおじさんはそこから立ち上がって、また夢を語り始めました。その夢は、なんと海外に出ることだったのです。仕事で高い技術力を持っていたおじさんは、それを海外で生かしてみたいとの希望を持ち始めていました。
ある日おじさんは突然旅に出ました。突然国際電話がかかってきて、やぁ、今僕がどこにいるか当てたら小遣いをやるぞ、ただし現地通貨で、というのがおじさんの第一声でした。
今おじさんは、ある国の水の事業に携わっているそうです。国際貢献だよ、定年海外協力隊と呼んでくれと、第二の青春に突っ走っているようです。かっこいいおじさんです。


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