「作家・田渕義雄さんの「森暮らしの家」」by id:TomCat

森暮らしの家 全スタイル (BE‐PAL BOOKS)

森暮らしの家 全スタイル (BE‐PAL BOOKS)

どんな家か、どんな暮らしかは全てがこの本に!!


自然派作家の草分けであり、アウトドアライフの達人である田渕義雄さんは、自然を「アウトドア」にするだけでは飽きたらず、ついに自らの暮らしを森の中に移しちゃいました。それが1982年のこと。


以来山里としては日本一の標高にあると言われる信州の山中で自給自足の森暮らしを開始。その様子をアウトドア情報誌「BE‐PAL」に連載していたものが一冊にまとめられたのがこれ、なんです。


自然を友とし、自然の恐ろしさも知り尽くし、そして自然に溶け込んで暮らしていく「森暮らし」。


氏は薪ストーブ愛好家としても知られていますが、時として薪ストーブは地球温暖化に反するという意見も受けます。そんな時、彼はこういいます。私達は薪ストーブを使うことで、さらに生産的に酸素を供給し二酸化炭素を固定する森を育てているんだと。

たしかに薪を焚くということは、薪を人為的に急激に酸化させるということです。しかし林野に野ざらしにされる倒木も、二酸化炭素を排出しながら酸化過程を経て土に還っています。


今、杉や檜の人工的な植林をしている森では、間伐はしなければなりませんが、その切り倒された木は野ざらしです。運び出しても使い道がないからです。でも切り倒された樹木は、燃そうが野ざらしにしようが、二酸化炭素の排出という面では変わらない。ならば積極的に切ったら森から出せ。どんどん活用しろ、そうして林野を大掃除することで木々の生育を助け、より生産的な光合成をしようと。


田渕さんの森暮らしは、ただ昔ながらの暮らしに懐古趣味的に憧れるライフスタイルじゃないんです。こんなふうにより積極的に森に接近し、森を理解し、果敢に森と共生していこうとする姿。そこがいいんですよね。


そんな田渕さんの家ですから、それはもう素晴らしいものがあります。何がどうって、いちいちあげていったらきりがありませんから、それは素晴らしい写真の配された本を見て知っていただくとして、とにかく私も将来の農園計画では、こんなふうに、単に情緒的に農村に憧れるというのではなく、その地の植生を知り、植生を理解し、自然とガッチリ手を握っていくような農業と暮らしを展開していきたいんですよね。そんな私にとって、田渕義雄さんの「森暮らしの家」は、心から憧れる家の一つです。


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