重陽節句に菊の花を摘んで枕にします」by id:SweetJelly


菊枕。乾燥させた菊の花びらを詰めた枕のことです。これで眠ると邪気を払い、不老長寿を得ることができると言われています。菊は熱冷ましにも効果があると言われていますので、秋に菊枕を作っておくと、冬の風邪引きさんも助かります。
新暦の九月九日ではまだあまり菊は咲いていませんし、菊枕は晩秋の季語でもありますから、花びらの採取は旧暦の九月九日に行います。今年の旧暦の九月九日は新暦の十月十九日で大安ですから、特に今年はとてもいい日です。
菊の花びらを集めたら、ザルに広げて天日で干します。これは重陽の日の日の光を受けて陽の気を高める意味がありますから、日陰ではなく直射日光の下に干してください。でも蒸れないように風通しのいい所で。これには、花びらにもし小さな虫などが付いていた時に逃がしてあげる意味もあります。
一日干したら密閉できる容器にドライフラワー作りに使うシリカゲルを入れて、その中に花びらを入れて完全乾燥させます。
こうしてできた乾燥花びらを詰めて枕にすれば完成ですが、実際には枕いっぱいの花びらなんてとても集められませんし、花びらだけを詰めてもすぐにぺちゃんこになってしまいます。
そこで私は木綿の平織りの布で平たい袋を作って、それに適当な量の菊の花びらを入れて口を縫い、均等にならして縦横に縫い目を入れて、菊の花のキルティングのようなものを作ります。それを枕の中に入れるか、枕カバーの内側に忍ばせてできあがりです。
これなら使う花びらの量は少なくて済みますし、枕としてもしっかりした枕になります。もちろん花びらの量は少しでも多い方が香りがいいですから、採れるかぎりはたくさん摘むようにします。
こうして作った菊枕を、長寿を願う贈り物として贈り物にすると、とても喜ばれます。もちろん自分で使っても、素敵な香りでぐっすり眠れます。
それから・・・。昔は女性が殿方に菊枕を贈ると、愛していますの告白になったそうです。愛するご主人様や彼氏にいかがでしょう。私はまだ縁がありませんが。


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