「楽しい絵日記」by id:SweetJelly

私が毎日している書き物は絵日記です。といっても普通の絵日記とは少し違うのですけれども。
書き始めたのは高校生の頃。私は恋するオトメでありまして、同じクラスの男子に片思い中だったんです。ある日読みかけの本を机の上から落としてしまったら、ちょうどそこにその男子が通りかかり、ジャストミートで本を踏んでしまいました。
あ、わりぃと言って拾ってくれましたが、カバーにはうっすらと足跡がついています。彼はごめんごめんと謝ってくれましたが、とんでもない、好きな男子の足跡なんて宝物ではありませんか。
さっそく私は美術部の友だちに頼んでコンテの定着液を足跡に吹きかけて永久保存。記念すべき私の絵日記の第一ページ目は、その足跡を貼り付けたページからはじまっています。こんなふうに私の絵日記とは、絵を描くのではなく、何かを貼り付けてそれに言葉を添える日記なんです。
それからしばらく、私の絵日記には変な物ばかりが続いていました。「○○君が通った後に落ちていた葉っぱの魚拓」とか、「○○君にもらった飴の包み紙」とか。そのうち ○○君には彼女がいるとわかって私はあっけなく失恋しましたが、絵日記はそのまま続きました。そして今でも続いています。
色んな物が貼ってあります。お店のレシートとか、友だちの家で拾った猫のヒゲとか。時々新聞の切り抜きなども混ざります。一日の終わりに、今日を象徴する物は何かなと探して、それをぺたりと貼って言葉を添えます。一冊終わる頃には貼り付けた物でノートが分厚くなっていますが、それが私の日々の厚み。ぶわっと表紙が膨らんだノートがもう何冊も貯まっています。


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