「みんなでより固まって『冬ごもりごっこ』」by id:Cocoa


子供の頃、大好きだった遊びが『冬ごもりごっこ』でした。きっかけは茶色のカーテン。「あ、冬の森の色だね」。そのカーテンが登場した日、私がそう言ったのです。「そうねぇ、じゃぁ、森のリスになった気分で『冬ごもり』しようか」。


母が毛布を持ってきてくれました。二人でそれにくるまると、すごくあったか。私は頭も毛布の中に潜り込ませました。うわぁ、本当に木のうろの中にいるみたいです。母の体に頭をもたげて、ちょっとウトウト。とても幸せな時間でした。


どのくらいの時間がたったでしょう。それはとても長い時間のように感じられましたが、実際は短かったのかもしれません。とにかく毛布から頭を出すと、母がポットで紅茶を淹れてくれていました。母がそんなふうに動いたから起きちゃったんですね。


「ミルクティーも冬の森の色よ」「あ、ミルクは白、雪の色も入ってこの色になるんだ」。雪が降らない地域でも秋冬は景気の色を変えていきますが、私はその秘密を発見したと思いました。この大発見ですごく興奮して、フンフン鼻息を鳴らしながら紅茶を飲んでいたそうです。


テーブルの上にはクッキーの入った蓋付きの菓子器もありました。「リスは木の実を土に埋めておくのよ。後で食べられるように」。私は菓子器の蓋を閉めて「じゃこれで土の中」。蓋を開けてクッキーを取り出して「掘り出した」。リスになったつもりで、前歯でカリカリ食べました。


温かいミルクティーとクッキーでお腹が満たされると、またおねむになってきました。冬ごもりの毛布は温かく、私は二度目の冬眠モードに入ったと思います。


冬ごもりごっこが大好きになった私は、時々母にねだりました。父にもねだりました。親子三人でむりやり一つの毛布にくるまって楽しんだこともありました。こういうスキンシップの温かさが、寒い冬を大好きな季節に変えてくれました。


ある程度大きくなるとこの『冬ごもりごっこ』は途絶えてしまいましたが、最近またダブルサイズよりさらに大きな毛布を見つけて手に入れたことから、大人になって復活しています。「冬ごもりしよ」。私が声をかけると、母は喜んで紅茶やクッキーの用意もしてくれます。父に言っても照れてなかなか応じてくれませんが、私と母が毛布にくるまっている横に座って、一緒に冬ごもりしているつもりになってくれているようです。
「お父さん、みかん持ってきて」「はいよ」。なかなか便利な冬ごもりサポーターにもなってくれます。


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