イエ・ルポ #040 PickUp3



こんにちは、ハザマです。今日は先にお知らせを。来週月曜日の10月8日は体育の日で祝日、次回“イエ・ルポ”は一週お休みになります。
そしてこの祝日には、いわしの中でもしっかりご紹介頂きました、「イエラボ」の小山薫堂編集長による“Tokyo Living Days”J-waveでオンエア(9:00〜17:55)!今回のテーマは「東京でスマートな生活を送る方法」「あなたにとっての経年優化なアイテム」。ぜひ一日ゆっくりイエをめぐる語らいに耳を傾けつつ、ご投稿ご参加下さいませ!「イエはてな」一家のみなさまのidがラジオネームとして聞えてくるとうれしいですね〜♪
さてさて、今日は“イエ・ルポ”#040のピックアップ賞のご紹介。「憧れのあのイエ、あの人のイエ」、難しいテーマにもかかわらず、いわしはたいへんな充実ぶりで面白かったー!さまざまなイエと書籍やサイトのご紹介、みなさまどうもありがとうございました!

イエ・ルポ #040 ピックアップ賞

#040では「一度住んでみたい!憧れのあのイエ、あの人のイエ」のテーマでご投稿頂きました。
今回はいわしの時間が長持ちして本編だけのご投稿となりましたが、その分じっくり充実の書き込みが多く、多彩なイエと暮らしに触れさせて頂きました。なかでも、日本伝統のイエと暮らし、そして自然とともに生きるイエのあり方が多かったのが印象的でしたね。日本のイエでは、「幸田露伴幸田文の旧宅」「京都の町家に住んでみたい」「合掌造りのイエ」「古い日本家屋(縁側のある家)」「〈いろり〉のある家」「純和風の平屋で日本庭園のある家」…萱葺き・檜皮葺き・土間・縁側・いろり・庭などイエの造りや昔ながらの日本の暮らしの豊かさをめぐって語らいがひろがりました。なかには「白石城!」「日本のお城:天守閣」「平安時代の、寝殿造り」などへの憧れも。そして自然と暮らすイエは、北島淳朗さんご夫妻の「廃校での手作り生活」のツリーがモリ盛。ほかにも「島の村の家」「丸太小屋」「広い庭のある家で、家庭菜園をして、毎日採れたての野菜を食卓に」「ターシャ・テューダーさんのコーギー・コテージ」「『めがね』の舞台みたいな南の島の家」など、自然の恵みとともに自分の手で暮らしを作るイエが注目を集めました。さらに話題はいろいろ、「米軍ハウス」「アントニオ・ガウディの家」「長嶺ヤス子さんの猫の家」「落水荘」「ホワイトハウス」「ハリーポッターの魔法学校(お城)」「水上コテージ」「舟屋」「『海辺の家』という映画をご存知ですか?」…いつもながら、「忍者屋敷」や「ツリーハウス」「スペースコロニー」といった遊び心いっぱいのメッセージも楽しかった!「イエカキ理想の住まい」の夢のイエも話題にのせて下さってうれしかったです!
ピックアップ賞には、木と伝統を愛し抜いた壮大な家づくり「浜美枝さんの古民家再生の家」と、本当の自然共生を考えさせてくれる「作家・田渕義雄さんの「森暮らしの家」」、そして日本近代の記念碑的集合住宅「同潤会アパート」を選ばせて頂きました。
今回はツリーの中でも、ノイシュバンシュタイン城シェーンブルン宮殿タケカワユキヒデさんの山梨の家、児玉清さんの本の家、重森三玲旧邸など実在のイエもたくさんご紹介頂いて、一つひとつに興味をひかれましたね。あなたの理想のイエも、見えてきましたか?


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浜美枝さんの古民家再生の家」by id:Fuel


女優の浜美枝さんの箱根にあるご自宅は、
12軒の古民家の古材を余すところなく使い、
20年以上の歳月をかけて作り上げてきたこだわりの家なのだそうです。
浜さんは昭和30年代後半、高度成長の波に乗ってどんどん壊されていく古い家を見て、
木の悲鳴を聞く思いがしたと言っています。
その後、仕事でアジアやヨーロッパを旅する中で、
諸外国では古い家を上手に活かして現代の暮らしに適合させているのを見て、
日本でも壊されていく家をもう一度蘇らせることはできないかと考えはじめたそうです。
そして日本全国を周りながら12軒の民家を譲り受け、
子どもたちを自然の中で育てたい、ふるさとと呼べる場所を与えたい、
との思いを込めながら、まず造成された敷地に土を盛りなおし、
平地を山に戻したそうです。
そして12軒の古民家の解体作業に自ら立ち会って、
どの木がどこに使われていたかということを克明に記録。
その数2000本にのぼったと言われています。
そうした人の営みや歴史の染みついた木一本一本を箱根神社のお神酒で浄め、
自分で藁を使ってススを落とし、富山から呼び寄せた職人さんに依頼して、
一棟ずつ徐々に建てていったそうです。
この気の遠くなるような作業を通して生まれ変わった家は、
ただ古くさいだけではありません。
イギリスのアンティーク家具の置かれた洋間もあるし、
パリの蚤の市で見つけてきたという小物が上品に配置されていたりと、
和と洋がうまく調和しています。
国の違い、文化の違いをこえて、伝統に培われた良さという物が、
見事にマッチしているといった感じの住まいになっています。
私もこんな家を作ってみたい、住んでみたいと思います。


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「作家・田渕義雄さんの「森暮らしの家」」by id:TomCat

森暮らしの家 全スタイル (BE‐PAL BOOKS)

森暮らしの家 全スタイル (BE‐PAL BOOKS)

どんな家か、どんな暮らしかは全てがこの本に!!


自然派作家の草分けであり、アウトドアライフの達人である田渕義雄さんは、自然を「アウトドア」にするだけでは飽きたらず、ついに自らの暮らしを森の中に移しちゃいました。それが1982年のこと。


以来山里としては日本一の標高にあると言われる信州の山中で自給自足の森暮らしを開始。その様子をアウトドア情報誌「BE‐PAL」に連載していたものが一冊にまとめられたのがこれ、なんです。


自然を友とし、自然の恐ろしさも知り尽くし、そして自然に溶け込んで暮らしていく「森暮らし」。


氏は薪ストーブ愛好家としても知られていますが、時として薪ストーブは地球温暖化に反するという意見も受けます。そんな時、彼はこういいます。私達は薪ストーブを使うことで、さらに生産的に酸素を供給し二酸化炭素を固定する森を育てているんだと。

たしかに薪を焚くということは、薪を人為的に急激に酸化させるということです。しかし林野に野ざらしにされる倒木も、二酸化炭素を排出しながら酸化過程を経て土に還っています。


今、杉や檜の人工的な植林をしている森では、間伐はしなければなりませんが、その切り倒された木は野ざらしです。運び出しても使い道がないからです。でも切り倒された樹木は、燃そうが野ざらしにしようが、二酸化炭素の排出という面では変わらない。ならば積極的に切ったら森から出せ。どんどん活用しろ、そうして林野を大掃除することで木々の生育を助け、より生産的な光合成をしようと。


田渕さんの森暮らしは、ただ昔ながらの暮らしに懐古趣味的に憧れるライフスタイルじゃないんです。こんなふうにより積極的に森に接近し、森を理解し、果敢に森と共生していこうとする姿。そこがいいんですよね。


そんな田渕さんの家ですから、それはもう素晴らしいものがあります。何がどうって、いちいちあげていったらきりがありませんから、それは素晴らしい写真の配された本を見て知っていただくとして、とにかく私も将来の農園計画では、こんなふうに、単に情緒的に農村に憧れるというのではなく、その地の植生を知り、植生を理解し、自然とガッチリ手を握っていくような農業と暮らしを展開していきたいんですよね。そんな私にとって、田渕義雄さんの「森暮らしの家」は、心から憧れる家の一つです。


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同潤会アパートby id:Kumappus


これはまだ現存してるところもあるので、人生切り替える気になれば不可能ではないかもしれない。

同潤会アパート - Wikipedia
同潤会江戸川アパートメント【建築 系 検索エンジンKenKen!】
同潤会アパートメントの記憶

日本の近代建築史の話になると必ず出てくる同潤会アパート
以前イタリアを旅行したときに、あの国の都市って何百年も前の建物に(勝手にいじっちゃいけない法律があるので)あれやこれや手直しして今も人が住んでるというのに感動した。
日本だと京都やら飛騨高山やらの残ってそうな古民家がそういうのに相当するんだろうけど、あれはモダンな街のイメージがないから、そういう意味では同潤会アパートの方がイメージが近いと思う。
実際に住むとなったら今となっては狭かったり、設備がしょぼかったり、メンテもできなかったりで大変なんだろうけど、都市の過去の幻影みたいでかっこいい。


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